ほぼ日 |
カツキさんは中2のときに、
おなかがよわいのが治ったと。 |
タナカ |
そうそう、ピターーっとね。
トパーズがふつうになった。 |
ほぼ日 |
それからはもう大丈夫なんですか? 今とか。 |
タナカ |
ん? まあね、大丈夫よ。 |
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浜野 |
あ、おなかよわくないんだ。 |
タナカ |
ん? |
星野 |
じゃあ、厳密にいえば、
カツキさんが
ここにいるのはもしかして、おかしい? |
ボーズ |
「おなかがよわい男」の集まりだからね。 |
浜野 |
「昔おなかがよわかった男」じゃなくて。 |
星野 |
‥‥カツキさん、
なんで、いるんですか? |
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一同 |
(笑) |
タナカ |
いやいやいや、
だからほら、ハラマキの経験談をね。
なにしろちっちゃいころ、
ぼくはずっと巻いてた子どもだったから。 |
星野 |
あ、そうか、ハラマキの先輩として。 |
タナカ |
そうそう、じゃあ先輩の話をしましょうか?
あのね、昭和50年代ですか、
そのころには、けっこうね、
かわいらしいハラマキが売ってたの。 |
ボーズ |
うそ? ほんとに? |
タナカ |
巻いてましたから、ぼく。
生き証人ですから。
子ども用のハラマキには、
かわいいのが、そこそこあったんです。 |
星野 |
あ、子ども用で。 |
タナカ |
オシャレとまではいかなくても、
ま、ストライプ、とかね。 |
ボーズ |
へえー、そうなんだ。 |
タナカ |
ぼくはそれをずっと寝るときつけて、
幼稚園も小学校も巻いたまま通ってました。 |
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ボーズ |
固形のトパーズが
出ない子どもだったから。 |
タナカ |
そうなの。
で、中2でおなかよわいのが治って、
トパーズもふつうになったんで、
ハラマキはいったん巻かなくなりました。 |
星野 |
いったん、ということは、また? |
タナカ |
そう、大学のときに、また。
ハラマキブームが来たんです、自分の中で。 |
ボーズ |
またおなかがよわくなった? |
タナカ |
や、そうじゃなくて、
おなかを下さないためじゃなくて。
とにかくハラマキは、
「あたたかい」ということに気づいたんです。 |
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星野 |
だいぶ、遅い気づきですね(笑)。 |
タナカ |
大学時代は京都の山奥に住んでたんで、
冬はめっちゃ寒いんですよ。 |
浜野 |
そうか、カツキさん、京都の学校だ。 |
タナカ |
ほんまに寒い。
なんとか防寒したくて、
みんな革ジャンとか買ったりするけど、
まあ、お金もないんで、
ぼくは工夫してハラマキだったんです。 |
一同 |
ほおー。 |
タナカ |
さらにその時代はね、
デザイナーズブランドが
すごく流行り出したころなんですよ。
みーんな、なんや、
ピンクのジャケットとか着るようになって。
そこは、逆らいたいじゃないですか。 |
一同 |
(笑) |
タナカ |
おれはハラマキや、と。
デザイナーズブランドやなんや知らんけど、
ハラマキのほうがええやろ! と。 |
ボーズ |
推奨してた。 |
タナカ |
推奨してたの。
ずっと地道にハラマキを推奨してたの。
もう、「ひとりほぼ日」。 |
一同 |
(笑) |
ボーズ |
それさ、ほんとの話?(笑) |
|
タナカ |
ほんまですって。
‥‥じゃあもう、言ってまいますけどね、
ぼくは大学1年のときに
漫画家デビューしたんですけど、
そのときのペンネームが、
「ハラマキ」なんですよ。 |
一同 |
えええええーーーーーー?! |
タナカ |
そうなの、実は。 |
浜野 |
いま考えたネタじゃなくて? |
タナカ |
いやいや、ほんとに。 |
星野 |
漢字で? |
タナカ |
そう、ちゃんと名前に見えるように、
原っぱの「原」、写真の「真」、
それに「己」という字で。 |
星野 |
なるほど、原真己。 |
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ボーズ |
原真己。 |
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浜野 |
原真己。 |
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タナカ |
ね? そのくらい、
ぼくはハラマキのことが好きやったんです。 |
ボーズ |
すごい話になった(笑)。 |
浜野 |
すげえ。 |
星野 |
カツキさん、ここにいていいです(笑)。
ていうか今日、
いちばんいなきゃいけない人だ。 |
一同 |
(拍手) |
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ボーズ |
大逆転だわ(笑)。 |
星野 |
ちなみにデビューした雑誌は? |
タナカ |
『ビックコミック スピリッツ』。 |
一同 |
へええーー。 |
ボーズ |
どんな漫画だったんですか?
タイトルは? |
タナカ |
それは、言いたくない(笑)。
恥ずかしい!
ま、若かったからね。
編集者の言いなりになって描いてた。 |
一同 |
(笑) |
タナカ |
けっきょくその原真己は、
4年やってやめたんですけどね。 |
星野 |
へえー。 |
ボーズ |
初耳だわ、それ。 |
タナカ |
そうだったんですよ。 |
ほぼ日 |
そんなの、ぜんぜん知らなかった。 |
タナカ |
おおやけの場で、初めて話したよ。 |
ボーズ |
カミングアウト(笑)。 |
星野 |
ほぼ日誌上で自ら過去を暴露(笑)。 |
タナカ |
なんや、今日はもう、丸裸にされてます! |
一同 |
(笑) |
タナカ |
えー、ほぼ日の読者のみなさん。
わたくしタナカカツキはかつて子どものころ、
軟トパーズばっかりしていました。
そして大学時代に一度、
原真己という名前で漫画家デビューしてました。
デビュー作のタイトルは‥‥
「ミート・アゲイン」です! |
一同 |
(爆笑と拍手)
※座談会後に入手しました↓
『ビックコミック スピリッツ』
昭和61年1月15日号より
協力/小学館
(つづきます!) |