ほんとうにほんとのハワイ。 |
■Vol.35 ハワイの伝説 Maui マウイ Part3 「太陽を捕らえたマウイ」 ハーブ・カネが描いたマウイの雄姿。 まず、お祖母さんはマウイにふたつのものを渡しました。 ひとつは斧を作るための魔法の石。 もうひとつは、お母さんが言っていた16番目の縄で、 太陽の16本の足を捕らえるために特別に必要なものです。 お祖母さんはマウイに、 「ウィリウィリの木の根元に穴を掘ってそこに隠れ、 太陽の最初の足がクレーターを登るのを待ちなさい」 と言いました。 マウイは縄の端を木に結びつけ、お祖母さんの教えどおり ウィリウィリの大木の根元に穴を掘りました。 そして、穴の中で一夜を明かし、 空が薄明るくなり始めると、 太陽の出現を待ち構えました。 ハレアカラに太陽が燃える轟音が響き始めました。 一本の長い黄金の足がクレーターに伸ばされると、 マウイはすかさず用意していた縄で その足を捕まえました。 さらに、ほかの14本の足も続けて捕らえ、 残るは最後の16番目の足だけとなりました。 太陽は16番目の足をばたつかせ、 逃れようと激しくもがきました。 マウイは巧みにその足を、ウィリウィリに結びつけた お祖母さんの縄でつかまえました。 どんなにもがいても、 縄は大木にくくり付けられているので、 さすがの太陽も身動きができません。 そこで太陽は、今度は岩をも溶かすような ものすごい炎でマウイを焼こうと火を吹きました。 しかし、マウイはひるみません。 「あまりに速く空を駆け抜けるお前には 罰を与えなくてはならない。 お前のせいでヒナはカパを作ることができないし、 タロイモやサツマイモも充分に育つことができない。 カフナたちは日のあるうちに神への祈りを 終わらせることもできない。 だからぼくは、この魔法の斧で お前を懲らしめなくちゃいけないんだ」 そう言うと、マウイは太陽を打ち据え始めました。 伝説の舞台となったハレアカラ火山 「やめてくれ!」 ついに太陽は泣き出しました。 「では、もっとゆっくり空を渡ると約束するか」 すっかり懲りた太陽は、 1年の半分はゆっくり進むことをマウイに約束しました。 こうしてヒナは日のあるうちにカパを叩きあげ、 漁師は魚捕りを存分に、 そして農夫はバナナを充分に甘くさせることが できるようになりました。 しかし「残りの6か月は速く走らせて欲しい」と 太陽がお願いしたので、 半年は日が短く夜が長くなりました。 でも、そのお陰で人々は一生懸命働いた 夏の疲れを癒すことができました。 そしていまでも、太陽はマウイとの約束を守り続け、 ハワイでは、1年の半分は日が長く 半分は日が短くなっています。 これはマウイが成し遂げた数々の偉業の中の ほんのひとつのお話です。 <To be continued> |
2000-09-22-FRI
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