ほんとうにほんとのハワイ。 |
■Vol.41 ハワイの迷信 Part4 前回に引き続き、ハワイでよく知られている迷信について もう少しご紹介しようと思います。 今日はハワイの文化に関わりのあるものを いくつか取り上げてみました。 ●海を背中越しに見てはいけない サーフィンや海水浴をしているとき、 浜のほうに体を向け、首だけ振り返って 海を見てはいけない、ということです。 海を正面から見ないというのは、海(海の神)に対して 敬意を払っていないことになるからなのです。 アンクル・エディがワイメア・ベイの ライフガードだったころ、 「溺れる人のほとんどは、背後から近づく 波の大きさに驚き、恐怖のために波に背を向けて 浜に逃げようとするためにパニックになり、 事故につながってしまう。 正面から波に飛び込めば、 海は人の命を奪うことはないのだ」 と言っていました。 実際、浜に向かって必死に逃げようとすればするほど 波にさらわれてしまうことが多く、 大きな波が来たときには、それに向かって 飛び込んだほうが波にさらわれずにすむのです。 このことは、海とともに暮らしてきた私たちに 染みついている“決まりごと”です。 そして、そこには「危険から身を守るため」だけではなく 海や大地を家族の一員として敬意を払うという ハワイ人特有の思想が含まれているのです。 ●一族のアウマクア(守り神)を食べてはいけない ハワイ人は、自分たちの先祖は死んだ後に、 決められたいくつかの動物に姿を変えると信じていました。 それがアウマクアです。 もし、一族のアウマクアを食べたりすると、 家族の誰かが死んでしまうなど、 悪いことが起こるといわれています。 どこの一族にもいくつかのアウマクアがいて、 うちの場合は、サメやフクロウ、 それにオオプと呼ばれる小さな淡水魚がアウマクアです。 私の父が川に小エビを捕りにいくと、 いつもオオプが一緒に網にかかってしまいますが、 父はその一つひとつを実に注意深く 網からはずし、川に返してやります。 オオプは食べるととても美味しいと言われているのですが、 私も家族も一度もそれを食べたことがありません。 私たち娘が生まれるたびに、父は庭に1本ずつ木を植え、 それぞれの根元にオオプを1匹ずつ埋めました。 そうすると、ご先祖様がずっと その子供を守ってくれるそうなのです。 ●夜、爪を切ってはいけない 日本でも同じことがいわれていると聞きましたが、 ハワイのこの迷信にはちょっと複雑な背景があります。 ハワイには昔、カフナ・アナアナと呼ばれる ハワイ宗教の僧侶がいました。 カフナ・アナアナはさまざまな呪術を操り、 人に呪いをかけることもできました。 真っ暗な夜になると、呪いの儀式に使うため、 カフナ・アナアナが目的の人間の爪を 盗みに来ると恐れられていました。 カフナ・アナアナがいなくなった現代でも、 夜爪を切ると悪いことが起こるという 迷信だけが残っているというわけです。 |
2000-10-18-WED
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