へなちょこ雑貨店。 一寸の虫の五分のたましい物語。 |
第5回 アメリカってのはどうかね? まいどご来店ありがとうございます。 へなちょこ雑貨店こと、26 two-six は、 (経営者の希望としては、)アメリカン・デイリーグッズを 扱うお店でございます。 「今日のへなちょこグッズ」として、 ご紹介させていただいている商品はすべて、 オオタケとオガワが現地へ行って見つけて来たものです。 でも店内には、「ほかの店にも売ってる」ものもあります。 これは、誠に遺憾なことでございまして、 将来的には、26だからこそ手に入るものダケを 扱う所存でございますので、今のところはどうか、 大目に見てやってくださいまし。 その時にはゼヒ「へなちょこの名、返します」という タイトルに変えていただきたいものでございます。 あ、商売として成り立つまではだめかしら。 さて、なぜアメリカン・デイリーグッズを 扱うことにしたのでしょう。 まず、わたしたちは、うら若き「をとめ」ですが、 はやりのファッションにまったく興味がありません。 古着は好きだが、 決して「古着だから好き」なわけじゃない。 ジーンズも好きだけど、 それに関する「こまかいこと」にまるで感心がない。 どうでもいいことばが、 わざわざ書いてあるTシャツは大好き。 だけど、それだけじゃ アパレルを「専門」にやっていくのはつらいだろう、 ということで却下。 ほかに店舗形態だったら飲食関係と雑貨系かしら。 飲食関係なら、喫茶店かな。 いいね、喫茶店。 コーヒー好きだし。 オオタケ、昔バーテンのバイトしてたから、 夜はバーみたいにするとか。 じゃあ、当確ということで、 赤いバラをつけておきましょう。 雑貨系はどうかしら? いいね、雑貨。 とりあえず、こちらも当確。 でも、雑貨とひとくちで言っても かなりの種類がありますよ。 そういう時は消去法。 しゃれたこぎれいな生活雑貨は、 オオタケの家にもオガワの家にもひとつもない。 ひとつもないということは、 わたしたちには興味がないということで、却下。 続いて、フィギアやアドもの(宣伝用につくられた キャラクターやロゴなど)は、かなり好きだが、 マニアの方々にお任せしておくべき、という理由で却下。 もしわたしたちが、 のめりこむことのできる「マニア」タイプであったなら、 「なにするよ?」から、 話し合いはスタートしないのでしょう、きっと。 では、2人そろって好きで、 マニアが存在しないものを探してみましょう。 オガワ「わたし、アメリカが好き」 オオタケ「わたしも。ホームステイしてたし(自慢か?)」 おお。 キーワードが出てきました、アメリカです。 いきなりです。 アメリカの商品のパッケージってかわいいよなあ。 お菓子とか、生活雑貨のね、あほか?っていうくらい 大胆なパッケージ・デザインがいいよねえ。 それって、日本だと 限られた店でしか売ってないよね。 高級住宅地とかにある、 ちょっと敷居の高めなスーパーとか、 みょうにこじゃれた雑貨屋さんとかで、 べらぼうな値段で売ってるようなイメージだよね。 現地ではふつうに売ってるし、 ふつうに使ってる洗剤とかでも高い。 でも高くても需要があるってことか。 (お、なんか、今いいこと言っちゃったんじゃない?) それに、本来使うことが目的の生活雑貨だけど、 デザインがいかしてるからっていう理由で、 お部屋のアクセントにしたりする人って いるんじゃないかしら? (あら、またいいことに気づいちゃったんじゃない?) こうしてアメリカの生活雑貨にも当確のバラがつきました。 喫茶店と生活雑貨、2つのバラをどうしましょうという ぜいたくな悩みを勝手に抱えるわたしたち。 じゃあ、複合型というのは、どうだろうか? あー、でもこれは、いつかやってみたいから、 内容は秘密ということにしておこう。 資金を貸してくださる方がいらっしゃいましたら、 へなちょこ雑貨店までご一報くださいまし。 さて。 2人のなかでは、 売るもののイメージはだいぶ固まりました。 ターゲットは、 そんなにディープにアメリカに浸かっているひとではなく、 「旅行」に行ったことがあるひと。 あるいは、洋画をよく観るひと。 旅行に行って、滞在中どっかで目にしたけど、 ついつい本格的な「お土産」を買うことに 意識がいってしまって買うにいたらなかったもの。 映画の中で、なんとなく目のはしに入ってきた あのデザインが気になる、そういうものって、 きっとあるはず。 文房具とかキッチン用品とか。 これだ、わたしたちが好きなものって。 オオタケはホームステイをしていた時、 ビバリーヒルズのあたりとか、 いわゆるブランドものがてんこもりの ショッピングセンターなどに連れて行ってもらうよりも、 ステイ先のお母さんと一緒に、スーパーマーケットに 買い物に行くのが楽しかったらしい。 かくいうわたしも、こぎれいな雑貨屋さんには ほとんど興味がなくて、行くところと言えば、 横田基地のあたりにある雑貨屋さんがいちばん多い。 軍の払い下げのきちゃないバッグや、 いつ使うのか分からないような でっかいマグライトなどに目がないです。 以前、アメリカに2人で遊びに行ったときも、 ブランドの店にはいっさい行かずに、 旅行中に必要な食料や消耗品を買いに ふらっと入ったスーパーやディスカウントショップで 大騒ぎしていたっけ。 あほなデザインだなあ、とつっこみながら、 つい笑ってしまうという。 いくら、強力なノリだってことをアピールしたいからって、 靴の底を天井にくっつけて、さかさまにぶら下がる写真を パッケージにすることはないだろうよ、とか、 なんでキッチン・ペーパーなのに、ヒゲ面のおっさんが 腕組みして微笑んでいるんだろうか、とか。 そうかと思うと、単純な色づかいなのに、 商品を見ると「この色のほかには考えられない」 というほどの説得力を持つパッケージもあったりする。 工具セットや懐中電灯などがその代表で、 鉄色の工具のパッケージは鮮やかな赤や青や黄色が多い。 実際今、当店で「でん」といちばん目立つところに 鎮座している商品はこの色ばかり。 メーカーは異なるのに絶妙な統一感を持っています。 さすが、大統領のブレーンの中に カラリストがいるという国、アメリカ。 これなら、わたしたちが好きなもので、 マニアが存在しないという条件にぴったり。 そもそも、こんな商品を扱う店が ほかにないではないですか。 需要がないから、供給する店がないのでしょうか? いやいや、需要する側が、 欲求に気づいていないことだってありますよ。 あ? それが需要がないということ? よし、くわしいことは、 とにかく1回アメリカに行ってみて決めよう! ということで、なにを売るかは、 アメリカン・デイリーグッズに決定。 次にテーマになるのは、それをどう売るか、でございます。 (つづく) ※文中、太字部分は、編集部へなちょこ番によって、 施されたものです。
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2000-06-21-WED
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