じゃっかん13歳、中学2年生(!)のときに
プロ漫画家デビューした、きたがわ翔さん。
『19〈NINETEEN〉』、『B.B.フィッシュ』、『C』、
『ホットマン』、『刑事が一匹』などなど、
次々にヒット作を世に送り続け、そのキャリアは、
2008年現在、40歳にして、じつに27年。
13歳でデビューしてから常に一線で活躍し続けることは、
とてつもなくたいへんなことなのでしょう‥‥。
そんな、きたがわ翔さんが、
ことし2月に始めた連載作品を、ご案内いたします。
『成りあがり〜矢沢永吉物語〜』
原作:矢沢永吉 漫画:きたがわ翔
『コミックチャージ』
(角川書店)/290円(税込)にて連載中
矢沢永吉さんの半生がつづられた自伝、『成りあがり』。
1978年に出版されベストセラーとなった
このサクセスストーリーのコミック化に、
きたがわさんは取り組んでいらっしゃいます。
ちなみに原作『成りあがり』は、
糸井重里のインタビュー・執筆による一冊。
出版後30年の時を経て、
それのコミック化に取り組む漫画家のかたが、
こうして「ほぼ日」に登場してくださっている‥‥。
ふしぎなご縁を感じざるをえません。
それでは、きたがわさんご本人から、
『成りあがり』を描くにあたっての
いろいろなエピソードをお話していただきましょう。
「最初にこのお話をいただいたとき、
正直、引き受けるかどうか迷ったんです。
矢沢さんは、あまりにも雲の上の人ですから、
へたに描けないというプレッシャーが大きくて。
‥‥失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、
ぼく自身のなかに、いわゆる“ツッパリ”
というセンスは皆無なんですよ。
そんな人間が、あの矢沢さんを描いていいものか‥‥
ずーっと矢沢さんのことが好きで
神様のように思っているファンの人たちに
怒られるんじゃないかと思ったんです。
ちょっと怖いぞ、と(笑)。
そうやって迷っていた時期に、
矢沢さんのコンサートをみにいったんです。
そしたら、これがすばらしくて‥‥。
とにかく観客のみなさんが、いいんですよ。
みんな親切で礼儀正しくて、ぜんぜん怖くない(笑)。
おなかの出た50代くらいの不良中年たちが、
白いスーツにリーゼントで、矢沢さんの曲にあわせて
一糸乱れずタオルを投げるんです。
心からたのしそうに、ワーッっと。
みんな永ちゃんのことが大好きで、夢中になってる。
素敵だなあって、ほんとに感動しました。
ぼくの絵でコミック化するという決断は、
矢沢さんご本人がされたのだそうです。
直接ごあいさつにうかがったんですが、
じっさいにお会いしてみて‥‥
当然すごいオーラなんですけど、
野生的な直感みたいなもので生きているかただと、
そんな印象を強く受けました。
だから、もう、
この野生的な感覚でぼくを指名してくれたのなら、
それを信じようと思ったんです。
この人がそう言うならやってみよう! と。
そうして、2月から連載をはじめました。
原作をそのまま絵にするだけではなくて、
周囲に漫画だけのドラマをからめながら
ストーリーを展開させています。
のびのびと自由に、ぼくなりのヒューマンな
『成りあがり』を描かせてもらっています。
矢沢さんのご希望は、
“カッコイイだけじゃなくて、
情けない部分も含めての矢沢を描いてほしい”
ということでしたので」
コミックチャージは、
毎月、第1第3火曜日発売です。
くわしくは下の画像をクリックして公式サイトへ!
(こちらの表紙は連載が開始した2/5号のものです) |