クロースアップ・マジックの第一人者、前田知洋さん。
クロース(Close)は、英語で「近い」という意味。
観客と至近距離で行われる前田さんのマジックは、
「ほぼ日」でも以前、こちらでご披露いただきました。
動画でそのすごさを体験できます、未読の方はぜひ!
そんな前田知洋さんが、本を出版されました。
『知的な距離感』
かんき出版/1365円(税込)
人と人とのあいだにある「距離」をテーマにした、
「コミュニケーション」に関しての書籍です。
一流のクロースアップ・マジシャンが、
マジシャンならではの視点で、
「人に会うことを楽しくする」ための
レクチャーをしてくれる‥‥。
もう、なんだかすでに、好奇心を刺激されますよね。
前田さんに、ちょっとだけ、
この本の内容を教えていただきました。
「クロースアップ・マジシャンにとって、
お客さまとの距離はすごく大事なことなんです。
その大事な部分を、ぼくがどうやって解決してきたかを
この一冊に書かせていただきました。
具体的な例をいうと、
トランプに仕掛けがないかをお客さまに調べてもらうとき
いきなり『調べてください』って近づくと
恐怖感を持たれてしまうんです。
ですから、
『こういうトランプ、触ったことあります?』
というような感じで、なにげなく自然に
距離をつめることが大切なんですね。
インターネットや携帯電話の普及で
とても距離感がとりづらい時代になってきました。
急に親密なメールが届いて戸惑うこと、ありますよね?
一度会っただけのおじさんから、
顔文字にハートマークのメールが送られてきたり(笑)。
メールでもやっぱり、距離感が大事なんです。
この本でぼくは“プライベートエリア”
ということばを使って距離感のことを説明しています。
プライベートエリアというのは、
人間がみんな持っている、
他人に入ってほしくないゾーンのようなものです。
大人数でエレベーターに乗るとみんな上を向きますよね。
あれはプライベートエリアを侵害されて、
ストレスを感じている状態なんです。
空いている空間にプライベートエリアを持とうとして、
みんなが上を向いてしまうわけですね。
プライベートエリアは人によって広さがちがいます。
広い人は、それだけストレスを受けやすくなる。
自分のプライベートエリアが
どれくらいの広さなのかを知っておくと、
人と距離をとるときにひとつの目安になると思います。
よい距離をたもつことは、
結局お互いのためになりますからね」 |