HARUOMI HOSONO DREAM DIARY
タヌキの神様
新しくできたホテルに投宿したが、
部屋はかなり狭い。
トイレで用をたすと便器の中から突然、
目の前にピンクの巨大な鎌首が出てきた。
ぼくの顔の前まで伸びて目を見据えられ、
竦(すく)んで動けない。

巨大な蛇だ。アナコンダか?
顔の大きさもぼくと同じほど。

これはいつ頭から呑まれるかわからないという状況だ。
少しづつ後ずさりし、ベッドルームに逃げこんだ。
だがそこのベッドにももう一匹、
今度は薄青い大蛇がとぐろをまいていた。

そいつもぼくを見据える。
そおっとベッドの上に置いた携帯を取り、
部屋を出る。

何故かぼくは遠くに逃げる。
そこからホテルに電話をしようと思う。
すぐに警察に電話するべきだったのか? 
番号がわからずホテルに戻ろうとしたが道がわからない。
あると思った場所にホテルがないのだ。
友人に電話し、場所を聞く。

ホテルに戻り部屋に恐る恐る入るともう蛇はいない。
隣の部屋はM君だったが、彼は大丈夫だろうか・・
もう飲み込まれてしまったかもしれない。
思えば蛇はマンガのように線が丸く、
目は×点だった。
コミュニケーションが出来ないという印だ。

(2002/04/02)
イラストレーション:佐竹奈々
解説
蛇なんかが夢に出てくるとフロイト的なネタになりそうだ。
それにしてもこの夢の大蛇は恐い筈なのだが、
目や形態が吾妻ひでおのようなマンガなので
それがオチといえばオチだ。
その昔に見たホラー映画で
「マニトウ」というのがあったが、
とても恐い経過が持続しているのに、
最後の最後で「アレ〜?」というほどマンガ的になる。
それでホラーなのに
「オモシロカッタネェ〜」と皆で笑ったものだ。

このごろのハローミ
現在「東京シャイネス」ライブをまとめた
DVDの準備が着々と進み、
今日やっと仕上げの行程に入りました。
特典映像にはスタジオで一人、
「間違えずに歌う」という課題に挑戦する
涙ぐましい姿を入れました。
9月吉日に出ますので、
追ってまたお知らせしちゃう。



2006-08-31-THU
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