夢を見た・・・
星港? いやここは見知らぬアジアの島だ。
その中枢は港にある。
観光だったのだろうか、夜になり散歩に出る。
じつに異国的な街だ。
歩いていくと見知らぬ場所。迷ったのだ。
広い運河に巨大なモニュメントがライトで浮ぶ。
この都市の象徴らしい200mはある石像。
花火があがり何か祝日気分だが、
迷子でそれどころじゃない。
元来た方向に戻るが、二度と同じ場所には出られない、
奇妙に複雑な街だ。
すると地下のマルシェのようなアーケード街に来る。
次の瞬間、肩にかけていた筈のショルダーが
ないことに気付く。
去年はパリでパスポートをやられたばかりなのに・・・。
仕方なく、記憶を頼りにさっき通り抜けた界隈に戻る。
複層になった古いマルシェを上ったり下ったり・・・。
だがどう歩いても違う場所に出るので、
どんどん見知らぬ街の深みにはまっていく。 |
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そしてその後、車で島を回ることになる。
だが迷子であることにかわりはない。
この街は海に面した山に、螺旋状に構築されている。
石畳の狭い道はどこも一方通行で、
車で走れば、上へ上へと行くことになる。
行きたい場所にはとうてい着けない。
さらに車を走らせると、とうとう頂上だ。
眼下に夜の宝石のようなアジアの街が螺旋状に広がり、
海が見え、巨大なモニュメントが
あちこちにライトアップで浮かび上がっている。
まるで星港という名そのもの、煌めく壮大な景色だ。
降りられそうに見える急勾配な道があったので、
大きく左折すると、そこは行き止まりだった。
しかもそのローターリーは柵もない狭い石畳で、
車が崖から落ちてもおかしくない。
ゾっとしつつ慎重に迂回し、
さて下の街に降りられそうな道はと探す。
この場所からは街の構造が丸見えだ。
細い道を抜ければ下にいっきに降りられる道が見える。
だが降りてもどうすることもできない。
言葉も通じず、パスポートもカードも現金もない。
携帯もとられ、誰にも連絡が取れない。
絶体絶命の境地。
こんなことになるとは・・・だがこれは夢だろう?
そうだ、夢だ! 助かった!
起きると明け方5時。
(2005/03/09) |
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イラストレーション:小林葉子 |
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