HARUOMI HOSONO DREAM DIARY
タヌキの神様
夢を見た・・・

人気歌手のM君と階段に座って話す。
内容は忘れたが、M君は何かぼやいている。
でも口臭が酷い。
歌うといい声なのに・・・と思う。

そこにファンらしき女の子が何かを持って来て、
それで何かを作って欲しいという。
使い古しの手袋などの日用品が
いっぱいバッグに詰まっている。

隣を見るとギタリストのS君がいて、
すでにもう作り始めている。
そうか、ぼくはインディアン風のベストを作ろう。
と思ったらバッグの中で電話が鳴っている。
この土地の遥か北に誰かが引っ越したというが、
秘密の隠れ家なので連絡が取れないらしい。
それはきっと邦楽家のO君のことだと思う。

その場にいた皆で開放的な貨物列車に乗り、
隠れ家へ向かうことにした。
その列車はゴトゴトと、
北へ北へと上がって行くのだった。
誰かがC・イーストウッドが出ている
西部劇の名場面の話をしている。

その時、列車を追うように、
鈍く黒光りする鉄の馬が2頭走っているのが見えた。
あれが例のアイアン・ホースか。
ならばここは何処の国だろう。
景色はバリ島の田舎のような田園だった。
そこに今度は鉄の牛が走って来た。
終点に到着したぼくたちは列車を下り、
長い長い、とてつもなく長い廊下をまた北へと歩いていく。
そこは両側に中華料理店がズラっと並ぶ廊下だった。
延々と連なる料理店らしき小部屋の、
そのひと部屋ごとに
一つの料理のメニューになっている仕掛けだ。

ここでまた電話が鳴ったが、それは現実のことだった。
(2001/01/25)

イラストレーション:Yuzzle
解説
鉄の馬が列車を追っかけてくる光景は印象が強い。
この馬は姿を変えてもう一度夢に出てきた。
その夢は『Iron Horse #2』だ。
鈍く黒光りする鉄の馬〜きっと夢の専門家なら
変なことを言うに決まってらあ。
ところで夢の正直な世界を
正直に書くのが夢日記の鉄則だが、
ここに出てくる人物のイニシャルは適当なのだ。
口臭云々は気恥ずかしい人間の生活感覚だが、
その人物が誰だったのかもう忘れた。

このごろのハローミ
近況も遠況もないほど忙しいんです。
ソロアルバムをつくるという
楽しくも困難な宿題は現在一時停止し、
他の仕事の差し迫った締め切りに追われて、
スタジオで寝る有りさまです。
いつもギリギリまでやらない。
そんな人は多いよね。
小学生のころも夏休みの宿題も
8月の終わりに慌ててやったものです。
そのまま大人になりました。

2006-10-12-THU
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