HARUOMI HOSONO DREAM DIARY
タヌキの神様
夢を見た・・・

達人の弟子だった。
その老人は腰に布を巻いた
色黒のアジア人で、
どこかの先住民らしい。
他の弟子が刀で師匠に挑むが
全く手が出ない。
そういう時の達人はおそろしい。

次は自分の番だ。
ぼくはこれまで
随分修業を積んできたが、
いざ手合わせをすると緊張する。
勝つ見込みは半々だ。
やってみなけりゃわからない。
武器は少し長めの銀の短刀。

剣道のように向かい合い、
小手合わせでチャリンといわせた瞬間、
ぼくの手が勝手に動き、
知らぬ間に師匠の手の平に短刀を突きつけていた。
達人は「あれ? 困っちゃうなあ・・・」と
ひょうきんに狼狽する。
そこをすかさず無防備な腹に短刀を寸止めする。
達人に勝った。
凄い凄いと喝采。免許皆伝だ。

(2002/02/26)
イラストとアニメーション:ポー・ワング
解説

「ブッシュくんに小手」に準ずる
「試合」モノだな、コレは。
山上たつひこが昔書いた傑作に
こういう達人が出てきたけど、
ぼくの場合、結構大変な時に
突如お笑いになる傾向があるな。
猫もこんな時に? と思うような状況で
突然グルーミングするし、
ストレスを受けた時に気楽になれる、というのは
達人だな、コレは。


このごろのハローミ

いろいろ仕事が詰まってたのも終わって、
愈々だな、コレは。
愈々、つまり「いよいよ」なんだな。
何がって、愈々部屋を掃除して、
たまったDVDの映画見て、
ゆ〜っくりお風呂に入って、
珈琲飲んで煙草吸って、
で、退屈したら愈々ソロCDの製作に
没頭するんだな。きっと。コレは。


2006-10-26-THU
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