夢を見た・・・
オレは寂しい男だ。
今日も冬の町をトボトボと歩く。
なんかこのまま帰っても孤独に押しつぶされそうだ。
すると前の歩道橋の下を
派手な化粧をした女が歩いてくる。
化粧は濃いがまだ若い。
視線が合うと、安っぽい毛皮を着た女は微笑んでいる。
たいてい視線など交わさないのが
女性の毅然とした生き方だ。
珍しく視線が合うことはあっても、
用心深くすれ違うだけだろう。 |
|
|
|
|
だが今回は違った。
女はますます顔面いっぱいに微笑みが増大している。
今にもオレに声をかけるに違いない。
そしてすれ違いざま・・・
オレはそのまま振り向かずに歩いていった。
だって可愛くなかったんだもん。
(2006/08/24) |
|
|
|
イラストレーション:Yuzzle |
|
|