※以下はテキストのみのバージョンです。
夢を見た・・・
僕は人間自動車だ。
デジタル式の方向指示器を頭に付けてぶっ飛ばす。
東京のど真ん中の大通りをスイスイと走り抜けていく。
タクシーが歩行者だと思って抜こうとするが、
それより早いので「???」という声が聞こえて来る。
止まるときはそのまま速度を落とせばいい。
走りから歩行に移るだけだ。
こうして東京中の道を駆け抜けていく。
車と並んで左折、右折し、徐々に道が狭まっていく。
まるである地点に導かれていくような感覚。
そしてその地点に着いた。
そこは狭い階段がある薄暗い旅館だった。
今日は皆が集会する日だったのだ。
階段を上って狭い廊下の果てにある納戸のような部屋。
そこに行くと皆がいた。
なにやら阿片窟のような不穏な空気。
だが実際はそうでもなかった。
あれ? お爺ちゃんだ。
麻のスーツに蝶ネクタイ。
お爺ちゃんが夢に出て来たのは初めてだ。
古びたエレベータで上がって行くと
坂上の古い小さな商店街。
左側を歩いて坂を下っていくと、向こうから数人の女性達。
一瞬目の合ったその中の一人が知人だったので、
悪戯心が出て咄嗟に店の陰に身を隠し、
彼女が通る時に「ワッ!」と驚かしてみせた。
その始終を知っていた彼女も、
ぼくの勢いに驚いてしまったようだ。
そのままぼくは振り返りつつバイバイをして
坂を下り始めたが、
彼女はその場に立ち止まってぼくを見送る。
その顔は不思議に満ちて、
ははん、ぼくを好きになったに違いない。
いや絶対そうだ。
その美人の彼女、誰かに似てるがその誰でもない、
好きになってもいいタイプだ。
(2004/07/05) |
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