夢を見た・・・
沖縄は那覇にあるレコード店・・・。
「さとう龍平」という30代の実力有る民謡歌手を
探しに来た。
新聞の切り抜きを持って来ていたので、
すぐには覚えられない名を確認し、
その推薦者である写真の女性の名も覚えた。
「中立(なかだて)あや」・・・という。
さて、その民謡歌手の名を店の女主人に告げ、
さらに彼の居所を聞いたのだ。
すると、ここからそう遠くない場所で、
やはりレコード店をやっているらしいことが分かった。
その歌手にはすごい才能があることを感じていて、
ぼくはどうしても、
「ロックではない素朴なサウンドでやるべきだ」
と言いたいのだ。 |
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するとそこにあの推薦者の女性が女主人を訪ねてきた。
例の中立さんという名の女性だ。
写真ではわからなかったが、とても綺麗なお嬢さんだった。
彼女は清楚さがにじみ出るような輝きを持っていて、
誰かに似ているという風な顔でもなかった。
そして、女性なら誰でも持ってそうな手鏡を取りだして、
何気なく店のショウケースの上に置いた。
それを見ると透明だったので、彼女にその訳を聞いてみた。
すると彼女は、
「特別な職業の人だけが持つものです」
と言う。
ふーん。ということは・・・
「貴女は教職者ですね?」と当てる。
本当は聖職者と言うべきだったが、
その気持を込めて言ったのだ。
彼女の美しさは
その清い聖なる精神から来ていることがわかった。
何故分かったのか訝る彼女を前に、
ぼくはぞっこん惚れてしまった。
しかも彼女しか持っていない透明の手鏡を、
ぼくはまるでウイロウをちぎるようにして食べていた。
(2005/03/14) |
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イラストレーション:小辻雅史 |
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