その2051
ゾウの鼻が伸びたのも、
キリンの首が長いのも、
いやいや、ひょっとしたら、
生き物が海から陸へ上がったのだって
もとを正せば「まつがい」だったのかもしれません。
あらゆる生き物が同じことを
精密に寸分違わず繰り返していたら、
「まつがい」もないけど、
進化や発見やひらめきもないでしょう。
人よ、「まつがえ」! キミよ、「まつがえ」!
高らかに響く「まつがい」賛歌にのせて、
週末恒例の「まつがい」特集です。
「言いまつがい」を投稿する
はじめて投稿するかたへ
友達のおうちに天然素材のお店から
ギフトセットが届きました。
その中には
ヘチマのスポンジらしきものが。
そこでお母様が「今日からこれで体を洗うわ!」と
お風呂へ持って行かれたそうです。
感想は「慣れないから固くてちょっと痛い」とのこと。
まぁ、慣れたら平気使い続けること半年。
友達はその天然素材のお店で見てしまったのです。
「台所用スポンジ」と書かれた全く同じ商品を。
そりゃ痛いわ!
(ママには秘密)

今、やってしまいました。
お迎えの車が来たので玄関で慌てて
制汗スプレーをシューっとしたら
虫除けスプレーでした。
むせました。
(なう子)

車で出勤途中、ふとサイドミラーを見ると、
ハンドルから放した両手を、
バランスを取るように広げて走っている
バイクが斜め後方にいるではありませんか。
しかもにやにやしながら。
危ない奴だなーと思いつつもそのまま走り続け、
しばらくしてからまた目をやると、
まだ同じ姿勢です。
ほんとに危ない奴だ! とあきれていると、
そのバイクが近づいてきました。
近くに来たところをよくみると、
その
バイクのサイドミラーが、
ちょうど広げた手のように見えていただけでした。
運転手さんも別ににやにやしてなかったみたいです。
考えてみたら結構離れていたから、
運転手さんの表情まで見えなかったはずでした。
(ぶに)

高校のときのことです。
学校帰り、迎えに来てくれた母と兄とで、
お茶をしていました。
私が紅茶を頼むと、ミルクティ用のミルクと、
レモンティ用のレモンがついてきました。
私はミルクティにしようと思い、
紅茶にミルクを入れた後、ふと、
「これにレモンを入れて、
 
レモンミルクティにしたら、
 どんな味かしら?」
と考え、更にレモンを入れました。
すると、先に入っていたミルクの成分が凝固して
ぷかぷか浮き始めるではありませんか!
私は思わず、ぽかーんとしてしまいました。
丁度そのころ、化学の授業で
「凝析(ぎょうせき)」を習っていました。
目の前で起こった出来事にやや放心しながらも、
コロイド溶液(牛乳)に
電解質(レモン)を入れたから
牛乳中の乳脂肪が「凝析」を起こしたのだろう、
と分析し、妙に感心してしまいました。
その後、思わぬ実験結果に衝撃を受けながらも、
怪しい白濁物が浮いた酸っぱい紅茶を
そ知らぬ顔で飲みました。
(玉兎)

息子がまだ赤ちゃんで、
毎日夜泣きを続けていた頃、
ミルクをどのくらい、何時に飲ませたか、
何時に起きて、寝入ったかを
大雑把に記録していた。
ある朝、寝ぼけながら書いたその記録を見返すと、
よろよろした文字で、
なぜか
「おすし」と書いてあった。
しばらくは、そんな余裕もなかったから、
きっと食べたかったんだねぇ。
(ペリーニョ)
人の「まつがい」を読んで
自分の「まつがい」を思い出したときほど
投稿に最適な場面はありません。
さぁ、その出来事を覚えているうちに
「投稿する」ボタンを押しましょう。
あとは、それを書いて送るだけ。
やってみると、意外にたのしいですよ。
明日も「まつがい」の特集です。

イラスト:しりあがり寿
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2009-09-26
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN