その2618
「もしもし、○○さんのお宅ですか?」
「いいえ、違いますよ」
「ああ、すいません、失礼しました」
「いいえ」。ガチャン、ツーツーツー。
‥‥と、これが、よくある間違い電話ですが、
私たちが特集する「まつがい電話」は
こんな淡泊な出来事とは一線を画しています。
なんていうか、もっともっと劇的で、
ミステリアスで‥‥とか説明するよりも、
読んでもらうのがいちばんですね。
それでは、そうぞのんびりお楽しみください。
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ある時電話が鳴ったので出てみると
明らかに外人さんがかけてきている‥‥。
しかも英語ではなさそう。
どうしたものかと思い、
黙っているとたどたどしい日本語で
「アノ〜、
 メキシコタイシカンデスカ?」
と相手が言った。
「いいえ、間違っていますよ」と答えると
「スミマセーン」と言って切れました。
そういうことが何度かあったので調べてみると、
うちの部署の番号とメキシコ大使館の番号が
酷似していることが判明。
またかかってきた時にスペイン語での
受け答えを覚えておこうか、
とみんなで話しあっています。
(ナヨミ)


40年くらい昔のまつがい電話。
自宅に電話はありませんでした。
母は同じ市内にある実家に
公衆電話から電話をかけました。
前日、忘れ物をしたからです。
「あ、おかあさん? わたし
「ああ、あんた
という調子で会話は始まり、
用件以外のことを
10分ばかし、しゃべってました。
「そいでな、昨日、店の方に
 袋を忘れたと思うんじゃけど‥‥」
やっと、用件を口にした母。
「‥‥? あんた、○○子じゃあ‥‥?」
「え‥‥?」
実家は商店でしたが、
かけたお宅にはお店はなかったのでした。
お互い、大笑いして電話を切ったよと母。
お店があったら、どうなっていたんだろ。
「オレオレ詐欺」って、成り立つよなあと、
思い出すたび納得しています。
(電話ボックスの外で待ってた娘)


もう10年ほど前の事、
仕事が終わってやれやれと携帯の電源を入れ
留守電チェックをしたところ、2件の伝言が。
早速再生してみると
「あっ! もしもし! ○○さん!?
 △△ですけどおしぼりが
 なくなりそうなんです!!
 大至急持ってきてください! 
 お願いします!!」
と、大変に切羽詰ったメッセージが。
もちろん、私は○○という名前でもなければ
勤めている会社も全く関連がなく、
その電話が掛かってきていたのが
3時間も前だったため
「ああ、こんなに切羽詰っているのに
 まつがい電話をしてしまったんだなあ‥‥」
と、びっくりはしたものの
自分に関係がないとわかり、
のんきに2件目の再生をしたところ
「○○さん!?
 なんで電話に出てくれないんですか!?
 おしぼりがなくなっちゃったんです!!
 大至急って言ったじゃないですか!?
 ○○さん!?」と、最初のメッセージから
約15分後に、悲鳴に近いメッセージが‥‥。
今なら、ドンと構えてられるでしょうが、
当時はまだまだ小娘だったため、
その声と仕事上のトラブルであろう
その事情にドン引きしてしまい
慌ててメッセージを消去してしまいました。
‥‥△△さん、おしぼり、届きました?
(あの頃わたしは若かった)

次男の出産で入院中のこと。
深夜、看護師さんがベッドサイドに来て
たった今、夫からの電話を切ってしまったと
謝りに来られました。
海外出張中だった夫が時差を無視して
がやがやとした職場から病院に連絡したため
看護師さんは、
居酒屋にいる酔っ払いからの
間違い電話だと思われた様。
(その後、無事電話で会話)

私が中学生の時の話。
テスト週間最終日で早く終わったので
自宅には帰らず友人の家にお邪魔していました。
正午を過ぎてから今日は母が家に居ると思い出し、
友人宅の電話を借りて
お昼ご飯はいらないと言おうとしたのですが‥‥。
「この電話番号はただいま使われておりません」
何度やってもこれの繰り返し。
最初は何か間違えたとやり直してもまったく同じ。
友人がやっても変化なし。
だんだん心配になってきて家に帰ってみると、
別になんてことはない母の姿。
電話番号のことを言うと
「迷惑電話が多くて変えてみたわー」
とのこと。
家族にひとっことも言わず。
私も間が悪いやらなにやら。
いまだにこれ以上冷や汗かいたことがありません。
(誰にも言わず玄関の鍵を変える母の娘)

ああ、そういえば、私にもおぼえが‥‥。
おっと、ストップ、ストップ!
その先の話を、ぜひとも投稿してください。
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その印象深いエピソードを簡単に書いて
メールしていただければOKです。
長さや表現などを過度に気にすることなく、
どうぞ、お気軽にご参加くださいねー!

イラスト:しりあがり寿
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2011-04-16
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN