私が大学生だった頃の話です。
夜中に見知らぬ番号から
携帯に電話がかかって来ました。
(いやだなあ)と思いつつ、
電話に出てみると、全然知らないおじさんの声。
「サユリかぁ?」
「違います」
どうやら自分の奥さんの携帯に
かけようとしたようで、おじさんの方も
「おれの女房、こんな若い女の子の
声じゃないもんなぁ」と、困惑しています。
おじさんは
「090ー××××ー××××じゃないの?」
と確認してくるんですが、
確かにその番号、私の携帯の番号なんです。
「それは私の番号ですよ」
「ええ!? おれ兵庫からかけてるんだけど」
「こっちは奈良です」
押し問答の後、おじさんは何回も番号を
確認するんですが、そのうちに、最初の番号を
「090」じゃなくて
「080」と言っていることに気付きました。
「わかりました!
080を090とかけ間違えてるんですよ!」
「‥‥そうかぁ! なるほど」
二人で納得して電話を切り、
その後おじさんは電話帳の番号を直したのか、
二度とかかっては来ませんでした。
今でも間違い電話を受けるたびに思い出します。
(もも) |