その2709
「もしもし」「はい、もしもし」
「○○さんのお宅ですか?」
「‥‥いえ? 違いますけど?」
「あっ、すいません、失礼しました」
「いーえ」ガチャン、ツーツーツー。
ま、一般的な間違い電話ってこんな感じ。
本日お届けする「まつがい電話」は
ちょっとばかし、おもむきが異なります。
ずばり、もっと、ドラマティック。
どうぞ、最後まで、ごゆっくりー。
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我が家の電話番号は、
近所の小学校と末尾がひとつ違うだけ。
なので年に数回ではありますが、
まつがい電話がかかってきます。
ある日留守電にメッセージが
入っていたので再生すると
「あの、○年○組の○○ですけど‥‥
 体調が悪いので
 今日はお休みします‥‥」と、
わざと具合悪そうに話す
男の子の声が入っていました。
ああ、きっと学校に行きたくないとぐずって、
じゃあ自分で電話しなさいって
怒られたんだろうな‥‥
それにしても‥‥
学校で留守電はないだろうよ‥‥。
(末尾1)


名前が一文字違いの妹がいます。
ある日
りさー、ナカノさんから電話ー」と父。
珍しい人から電話がきたなぁと
思いながらも話をすること20分。
なんか上手く話が噛み合わなくなってきたなぁ
と思ってきたところで決定打が。
「そういえばさぁ、この前の試合さぁ」
「(試合?)‥‥あの、
 もしかして、みさに電話ですか‥‥?」
「えっ‥‥、あ‥‥、はい‥‥」
「あの、今替わりますので‥‥」
「‥‥‥‥ハイ」
ナカノさんが電話をしたのは、
私(りさ)ではなく、妹のみさで、
そのナカノさんは私が思っていた
ナカノさんとは違うナカノさんでした。
今となってみれば20分も
会話が続いたことにびっくりです。
(原因は父のききまつがい)


20年くらい前、一人暮らしをしていました。
仕事から帰るのはたいてい夜中という生活でした。
ある日帰宅すると留守電が入っています。
「○○だろう。△△おじさんです。
 久しぶりだなあ。どうしてますか。
 元気ですか。電話ください」
私は○○ではないし△△おじさんも知りません。
明らかに間違い電話ですが、
当時は番号も表示されないし、
私にはどうすることもできません。
しばらして深夜に帰宅すると
また留守電が入っています。
「○○、どうして電話くれないのか。
電話かけなさい」
△△おじさんからのようです。
困ったなあと思いつつも
何となく楽しくなっている私。
またまたしばらくして帰ると留守電が‥‥。
「こらっ! ○○っっ!
 何回も電話しとるのに
 なんで電話せんとかっっっ!
 腹の立つっっっ!!」
△△おじさんは受話器に向かって
怒鳴っておられますが、その真剣さ加減に
私は(失礼とは思いながらも)
深夜に声を出して笑ってしまいました。
それ以降間違い電話はありませんでしたが、
間違いに気づかれたのか、
怒りのあまり電話をかけなくなったのか
すごく気になりました。
(◇◇)

私の携帯には、
よくまつがい電話がかかってきます。
大抵、留守電にメッセージが
残されているんですが、未だに忘れられず、
どうしても気になるモノが1件。
メッセージは、
「○○ちゃん、はよ帰ってこい」という、
まったく知らないおばあちゃんから。
不気味な声と話し方で少し怖かったのですが、
それ以上に驚いたのは、私も普段、
「○○ちゃん」と呼ばれていること。
偶然ですが、こんなことがあるんだなぁ、と。
ところで、このおばあちゃんの
「○○ちゃん」は、無事帰ってきたんだろうか?
と気になってます。
(私は元気です)

韓国好きな、義母とそのお友達。
よく2人で、韓国語混じりでしゃべっては、
はしゃいでいます。
ある日、義母宅におじゃましている時、
リビングの固定電話のコールが鳴りました。
義母は「あ! ○○ちゃんからじゃあ」と
いそいそと電話に向かい、
「オー! ヨボセヨー!」と元気に一言。
‥‥が、その直後、
「あっ、すいません、もしもし‥‥」。
生協からの電話だったらしいです。
(お義母さん、好き!)

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いろんな「まつがい」を募集しております。
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だいたいできたなと思ったら、
あれこれ迷うことなく、
送信ボタンを押しちゃってください。
どうぞ、お気軽にご参加をー。

イラスト:しりあがり寿
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2011-07-16
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN