社会人として働き始めたころ、
仕事帰りにクールダウンも兼ねて
よく帰り道に本屋へ寄っていました。
その日のお目当てはその年の直木賞を受賞した本。
もともとその作者の本は読んでいて
好きだったので、早速読んでみようと。
ところが私、途中の道で、
「直木賞にキヘンつけたら植木賞だよなあ。
なんか、おもしろいなあ、
でもそんな人いないよなあ。ぷくく‥‥」
なんて思ってしまったんです。なぜか。
本屋について探したけれど、
お目当ての本が見つからない。
有名な賞をとった本だし、
聞けば店員さんもすぐにわかるだろうと、
レジまで行って言いました。
「あのお、植木賞の本、ありますか?」
言葉に出して言った途端に
自分がものすごい言いまつがいを
したことに気づきました。
瞬時に赤くなる私、店員さんも一瞬なんのことかと
不思議そうな顔をしましたが、
すぐに気づいたらしく、笑いをかみしめながら、
しかも訂正されることもなく、
棚に案内してくれました。
さらに悪い事にその本は平積み。
どうして目に入らなかったのか
わからないくらいに大々的に置かれていて、
あ~あ、私ってば、めったに本なんか読まない、
それでも、たまには有名な
「植木賞の本くらい読んでみよっかな!」
みたいなミーハーな女の子に
見られているんだろうなあ、と
さらにトホホな気持ちになったのでした。
その後、しばらく、ほとぼりが冷めるまで
その本屋には行けませんでした。
(やさしい店員さんありがとう☆まさこ) |