その2811
ある平凡な日のことである。
平凡な私が平凡な日常を過ごしていると、
平凡ならざるひとことが耳に飛び込んできた。
──なんだって? そんなバカな。
私は耳を疑った。疑ってよかった。
だってそれは「聞きまつがい」だったのだ。
たしかに聞こえる? ぜんぜん聞こえない?
問題作多数の「聞きまつがい」特集。
判断は、読むあなたにおまかせします。
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テレビをつけっぱなしで作業をしていたら、
亀田三兄弟の記念碑
 建てられ‥‥」
と聞こえてきました。
えっ! もう記念碑建てちゃうほど
彼らはすごいのかぁ。
と思ってテレビを見たら
「種田山頭火の記念碑」でした。
(ねぇ)

「私ね、経団連とかに
 興味があるんだけどさあ」
と言い出した友人。
財界を目指すのか?
と思いつつ、続きを促したら
「どんな味かわからないんだけど、
 飲んだことある? 」と。
‥‥「ゲータレード」の
まつがいだったようです。
(夕凪)

学生時代の出来事。
友人が休み時間中に声をかけてきました。
「ねえ、
ハリソンフォード来た?
「‥‥? 来ないよ」
「どうすんの、次、体育できないじゃん」
彼女は「体操着持ってきた?」と
言ったらしいですが、
いやいや絶対ハリソンフォードって言ったよ。
だって聞き間違えるほど似てないもん。
その後、彼女のあだ名が
ハリソンになったのは言うまでもありません。
(一番の被害者は彼女)

都内の会社に勤めています。
同僚が、イベントの打ち上げの場所を
どの店にするか悩んでいると、
「僕、いい店知ってますよ」と、
栃木出身の後輩がアイディアを出した。
いいねぇ、と喜ぶ同僚に、その後輩が
「モツ鍋屋なんですけど‥‥」と言うと、
同僚は「えっ? 
宇都宮なの?」と。
(ちょっと遠いな)

強盗事件を伝えるニュースで、
「逮捕された日系ブラジル人の男は‥‥」
とアナウンサーが伝えたところ、
トイレから出てきた母が
一見ブラジル人?
 じゃあ日本人なの?」と言った。
いや、ブラジル人。
(りょうこ)

千代田線から降りて
エスカレーターに向かう途中、
「鳥居みゆき、発射します」
とのアナウンスが。
えええ!? と思って振り返ると
列車には「取手」の文字。
あ、「取手ゆき、発車します」ね‥‥。
(赤面・エンド・ラーン)

目はパソコンに向かいながら耳だけ
テレビの料理番組を聴いていたときのこと。
シュウマイを焼き始めたところで、
先生がアシスタントさんに
「‥‥トイレ行ってきます」
と言うのが聞こえ、
えっ? とテレビ画面を見たら
アシスタントの人は柚子胡椒を
水で溶いていました。
「(シュウマイの焼き待ち時間の間に、
  柚子胡椒を)溶いておきましょう」
ということだったようです。
あー、びっくりした。
よく考えれば、トイレ行くわけないし。
(柚子胡椒好き)

高校時代、最寄り駅のエスカレーターには、
いつも機械で女性の音声が流れていた。
「エスカレーターでは
ボツリヌス菌
「手すりにつかまり」なのに‥‥。
わかっているのに何度聞いても
「ボツリヌス菌」にしか聞こえなかった。
(最新式)
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あれこれ悩まず、どうぞお気軽に!
それでは、また明日、お会いしましょうー。

イラスト:しりあがり寿
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2011-10-26
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN