その2895
‥‥えっ、うそっ、なに、いまの?
びっくりするようなフレーズが
私の耳に飛び込んできた。
私は思わず、耳を疑った。疑ってよかった。
だってそれは「聞きまつがい」だったのだ。
「ああ、これはお見事!」
と快哉を叫びたくなるようなものから、
「いや、それ、ムリでしょう‥‥」
というような厳し目のものまで、
さまざまな「聞きまつがい」をお届けします。
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母と電話で話していたとき、脈絡なしに
「土鍋買ったん見た?」
と聞かれたので、聞き返したら
「『のだめカンタービレ』見た?」だった。
(再放送にハマったアラカン母から)

友達に道を説明していました。
「え?
 
キューピッド街道ってどこ?」
って聞き返されました。
違います。「旧水戸街道」です。
(らん)

自然の豊かな町へ向かう途中の事、母が
「ここ、倒産しかかってて大変らしいよ」
と話し掛けてきたので、
「大変なら、少しくらい
 分けてくれてもいいのにねぇ」
と答えると、母は怪訝な顔をしました。
それもそのはず、私は、
「倒産しかかってる」を
「父さん鹿狩ってる」
聞きまつがっていたのです。
(ナオ)

友人と電話で仕事の愚痴などを
話していた時のことです。
私「ま、ピークは過ぎたし、
  ボチボチがんばるよ」
友「え!? 
ピーコはオスギだし?
  どういうこと?」
確かにあながち間違ってはないような‥‥。
(オスギ≒ピーコ)

校外学習の前日、息子が
「明日、怪獣弁当持って行くから」と。
小5になっても男の子はかわいいな、
と思いながら、
張り切ってキャラ弁を作り、持たせてやった。
帰宅後、息子は怒って口をきかない。
「何で怪獣弁当
 入れといてくれなかったんだよ?」
よくよく聞いてみると、
彼が欲しかったのは、懐中電灯。
肝心のものはなく、
幼稚園児のような弁当を持たされ、
彼はいたくショックをうけたらしい。
(bl)

今から十数年前の話になりますが、当時の彼が、
『静かなうどん』っていうビデオ、
 借りて見なさいよ、面白いから」と、
すすめてくれるものですから、
ビデオ店に借りに行きました。
ですが、探せど、探せど、
そのようなビデオは見つかりません。
思い切って、
「すみませーん、
 『静かなうどん』のビデオは
 ありますか?」
と聞いてみたら、店員さんが
「あー、『静かなるドン』ですね」と。
持って来てくれたビデオは、
想像していたものとは、
全然違って任侠ものでした。
物静かな優しい彼だったので、
静かなうどん屋さんの物語なのかなー
って思っていました。
(りんごちゃん)

こどもの頃、風邪をひいて寝込んだ時の事。
心配した祖父が
「何か食べたいものはないか」と言うので、
一度食べてみたいと思っていた
憧れのものをリクエスト。
しかし
朝ラーメン?
 そんなもん、ダメだ!」と一蹴。
何度繰り返しても祖父には通じませんでした。
天国のおじいちゃん、
私があの時食べたかったのは
あ・さ・だ・あ・め〜!
聞こえたかな‥‥。
(浅田飴)
「聞きまつがい」「言いまつがい」
どのような「まつがい」でもOKです。
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あなたが印象深く感じている
愉快な出来事をかいつまんで書き表し、
できあがったところで、
時間を置かずにさっさと送信してください。
何度も見直したりせずに、
勢いのあるうちに送っちゃいましょう。
大丈夫、大丈夫、お気軽にどうぞー。

イラスト:しりあがり寿
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2012-01-18
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN