その2944
すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
しかし、その燃える命ともいえる名前は、
しばしばほかの誰かによって
あっさりと
「言いまつがわれて」しまうのです。
さぁ、行ってみましょう、
本日は「名前の言いまつがい」特集です。
いろんなパターンで、いろんな「まつがい」が。
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父の名前は「融(とおる)」です。
先日、補聴器を作るため
初めてのメガネ屋さんに行き、
お客様カードに記入してきました。
後日、届いたダイレクトメールの宛先には、
扇虫様」と‥‥。
(イマドキのギャル文字)

中1の時の事。
私の名前は慶子(ケイコ)なんですが、
担任からはいつも
「ヨシコ」と呼ばれてました。
普通に読めばケイコなのに‥‥。
いくら奥さんがヨシコさんだからって‥‥。
(慶子)

私は旧姓が「我妻」といいますが、
高校時代に部活の友達からもらった年賀状が
「我毒」になっていました。
名前も、玲子なのに
「冷子」と。
県内トップクラスの進学校だったのですが、
親がその友達のことをとても心配していました。
(れいこ)

私の下の名前は「雄一」です。
花粉症で耳鼻科を受診した帰りに、
処方箋を持って近くの薬局へ。
「これお願いします」
「はい‥‥?
 ユウイチさんですよね?」
「そうですが、何か?」
処方箋を見せてもらうと、
名前には
「雄1」と書いてありました。
(はなたれ)

小2の息子が3歳ぐらいの時、
4歳上の可愛い女の子と知り合いに。
なまみちゃーん!」
とうれしそうに呼ぶ息子。
その度にちょっと恥ずかしそうにする女の子。
だって、その子本当は「まなみちゃん」。
息子には私が直してあげても、
やっぱり口から出るのは
「なまみちゃん!」
直せない言いまつがいでした。
(辻やのか)

会社の電話で、相手の名前を確認していました。
「晃」という字を説明するため
「水戸こうもんの、『こう』」
と話し、相手もすぐさま了解。
しかし電話を切ると周りは爆笑。
「それは『黄』だろが〜」と言われ、
すっかり頭の中が
「西村晃」さんだったことに気づきました。
(なぜ通じたんだろう)

息子の名前は
「楽」と書いて「ひらく」といいます。
先日風邪で近くの診療所に行きました。
処方された薬の袋の名前の欄には
「○○  
 様」
と大きな字で書かれていました。
薬剤師さんが「楽」という字を書こうとして
なにかの拍子に
「笑」になってしまったのでしょう。
嫌な字に書き間違えられていたら
少々気分を損ねるけれど
「笑」って、なんかええ感じやなぁ〜。
何も言わずに持ち帰りました。
空になった薬袋、「笑」の字がいとおしく
捨てずに置いてあります。
(おゆみ)

大学にいる、大村という男。
高校の卒業式で、
苗字がほられていたハンコを貰ったらしい。
押してみると、
「木村」‥‥。
現物を見せてもらい、腹がよじれるのを
一番後ろの席で堪えてました。
(ジュネッスブルー)
名前に限らず、
さまざまな「言いまつがい」を募集中です。
「投稿する」ボタンをクリックし、
あなたの心に残るエピソードを
だいたいの感じでけっこうですから書いて、
過度に仕上がりを気にすることなく、
ふふふんと鼻歌交じりで
送信ボタンをクリックしてください。
長さや表現など、とくに決まりはありませんので
どうぞ、お気軽にご参加ください。

イラスト:しりあがり寿
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2012-03-07
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN