新着「言いまつがい」〜その685〜
年末のどさくさに、 ちょっとややこしい特集をお届けします。 ええと、「まつがってない」特集です。 んん? 「まつがってない」なら、 べつに取りあげることもないんじゃない? 「言いまつがい」じゃないんじゃない? まあまあ、 ちょっと読んでみてくださいよ。 「まつがってない」といえば 「まつがってない」んだけど、 なんだか、どこかしらが、 「まつがっている」ような気もする。 そんな不思議な特集を だまされたと思って、どうぞ。
何がどう間違いなのか、 あるいは間違っていないのか、 今ひとつよくわからないのですが、 母が言うことには、 「ホモ・サピエンスの 頭蓋骨は、 20年前から 進化していない らしいよ!」 (はんぞー)
言いまつがいであるような ないような。 高校の美術の課題で りんご・瓶・レモンなどの 静物画を描きました。 課題提出日に友達の絵を 見せてもらったところ、 りんごのヘタの部分だけが下書きのまま。 「あ〜描き忘れちゃったんだな‥‥ 教えてあげなきゃ」 と思った私は彼女の絵を指差しながら 「あ、へた」 と単刀直入な指摘をしてしまいました。 当然まわりの他の子たちは絶句。 彼女も呆然としていました。 自分の発言の意味を理解して 訂正するまでのあいだ流れていた 重苦しい空気は忘れられません。 (くさ)
正確には 言いまつがいではないのですが、 出先から帰ってきた後輩に、 思いっきり甘えた声で 「おかえぃ〜」 と言ってしまいました。 ダンナとまつがえた。 後輩は戸惑いつつも、 「ただ今、帰りましたー」 と返してくれました。 (みけ)
言いまつがいではないのですが、 なんというか、 とてもまつがった発言を聞いたので、 メールしてみました。 その日は、八宝菜を作るべく、 母と台所に立っておりました。 私は小さなうずらの卵をゆでて、 皮をむいておりました。 すると、母が 「うずらの卵って、 何が生まれるか 知ってる?」 と言うのです。 何を言っているのか、と思いながら 「だから、うずらでしょ」と返すと、 「何だ、知ってたの」 母は残念そうに笑いました。 「すずめが 生まれるのよって 嘘をついてやろうと 思ったのに」 ‥‥母はとてもいろいろ 根本的にまつがった人です。 (もぐ)
わたしはまつがえてないはずです。 先日フランス人の友人数人に 『ちびくろさんぼ』の話をしました。 「虎がぐるぐる回るうちに バターになって‥‥」 と言ったところで、 目の前にいた彼ら全員の目が 突然同情を含んだ遠いまなざしになり 「バターの原料は 虎じゃないよ?」 とやさしく諭されました。 いかに日本の電化製品技術がすごくても、 虎からバターは作れません。 たしかにフランスは酪農大国だけどさぁ。 (こたに)
決してどちらもまつがってはいません。 が、しかし、コーヒーを飲んだ後に 「コーヒー、おいしー」 と言ったときはなんとも感じないのに、 「おいしー、コーヒー」 と言ったときは、 今ちゃんと言ったかな? って自信がなくなってしまいます。 毎回そうです。 どうやら、「ひー」で終わると、 まちがって江戸弁使っちゃったような 気がするみたいで。そういう時は 「おいひー、コーシー」と言って初めて、 ほんとにまつがってるのは、これだと 確認してしまいます。 (かよらん)
引っ越しで、旦那(ヒロシ)が 自分の荷物に無精をしてイニシャルで 「Hの物」 と書いたんだそうです。 それを運びだす引っ越しやさんが ニヤニヤするのを見て、 「まつがってないけど失敗した」 と、後悔したそうです。 (YOU)
というわけで、本日は、 年忘れ「まつがってない」特集でした。 明快なおかしさはないかもしれませんが、 じわじわくるでしょ? さて、みなさんからの投稿を お待ちしています。 下の「投稿する」ボタンをクリックして どうぞお気軽にメールしてください。 今年の「まつがい」、今年のうちに! 年末年始も本屋さんだけは開いてますから 「言いまつがい」文庫版などいかがでしょう。