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新着「言いまがい」〜その788

 

すべての子どもたちは
ひとりずつ、ひとつ、
美しい名前を持っています。
しかし、その燃える命ともいえる名前は
しばしば「まつがわれて」しまうのです。
そんなわけで、「言いまつがい名前編」。
ひとりずつ、ひとつ、名前があるせいで、
「まつがわれ」かたもさまざまです。
最後までごゆっくりお読みください。

採点のアルバイトを
していたときのまつがい。
駿夫(としお)くんは
よっぽどあわてていたのか、
名前の欄に「馬夫」って。
馬かよ。
(リョウコ)

「佐藤」さんを呼ぶつもりだったのに、
目も「佐藤」の文字を
読んだはずだったのに、口が勝手に
「鈴木さ〜ん!」と‥‥。
自分では気づかなかった振りして
応対しました。
(留吉)

会社の同僚に
岡ちえみちゃんという子がいるのですが、
愛らしい彼女は
同じ部署の上司や先輩からも
「ちえみちゃん、ちえみちゃん」
と呼ばれていました。
ある日、隣の部署の課長がやって来て、
彼女に向かって
「堀さん」と呼んでいました。
(マユ)

Iちゃんに、
今度来る新人さんの名前を聞いた。
「のださんです。
 漢字は、野原の『野』に、
 田んぼの『ぼ』です」
‥‥「野ぼ」さん?
(ちゃんと野田さんだって
 わかったけどね)

私がとある窓口で
受付をしていた時のこと。
名前にフリナガをふる欄があるのですが、
柏田(仮名)さんの
フリナガ欄に書かれていた文字は
「カシワ田」
まぁ、田は田ですよね‥‥。
(ふく)

友人ちの新入り猫さんは
「ジンジャー」という名前です。
ある日猫さんが調子悪そうなので、
こらいかんと友人は
なじみの獣医さんに走りました。
受付のおばさん
「あら渡辺さん、新しい猫ちゃんね。
 お名前は?」
友人「ジンジャーといいます」
後で処方された薬とともに
受け取った新しい診察券には
「渡辺神社」
と書かれていたそうです。
(巫女にゃんこ)

ファミレスで順番待ちをしていたら
「オキツ様〜、オキツ様
 お待たせいたしました」
ウェイトレスさんが呼び出しをしました。
近くにいた男子中学生の一団が
ゾロゾロとついていったのですが‥‥。
その中の一人が、ボソッと一言。
「オギノなんだけどな‥‥」
誰もいなくなった後、
名前を書く用紙を
こっそりのぞいてみたら
「オキ〃ノ」
に近い筆跡で書きなぐってありました。
ウェイトレスさんが正しいと思いました。
(やぶ)

私の友達で
「さつき」って名前の子がいます。
初めて話したときなんとなく名前から
「何月生まれ?」ときいたら
思いっきり外れの「11月25日」
でも、さつきちゃんは
生まれ月が名の由来なんだとか。
「何で?」ときくと‥‥。
「なんかね、あたしのお母さんが
 11月を皐月って
 思い込んでたらしくて、
 お父さん言えなかったんだって。
 ちなみにあたしの妹は
 弥生って名前なんだけど、
 8月生まれだよ。
 これもお母さんの思い込みだって。
 今はもう間違えないけどね」
スゴイ思い込みだ‥‥と思う私でした。
(今では親友)
電話で試供品を申し込んだ時に
相手が音声ガイダンスで
何度名前を言っても
「ご注文ありがとうございます!
 ○田まんこ様ですね」
と繰り返すので面倒になって
「はい」と言ったら
本当に○田まんこ様で届きました。
(まぁ女ですから‥‥)

どのような「まつがい」でも
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どうぞよろしくお願いします。


イラスト:しりあがり寿
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2006-04-12-WED
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