新着「言いまつがい」〜その788〜
すべての子どもたちは ひとりずつ、ひとつ、 美しい名前を持っています。 しかし、その燃える命ともいえる名前は しばしば「まつがわれて」しまうのです。 そんなわけで、「言いまつがい名前編」。 ひとりずつ、ひとつ、名前があるせいで、 「まつがわれ」かたもさまざまです。 最後までごゆっくりお読みください。
採点のアルバイトを していたときのまつがい。 駿夫(としお)くんは よっぽどあわてていたのか、 名前の欄に「馬夫」って。 馬かよ。 (リョウコ)
「佐藤」さんを呼ぶつもりだったのに、 目も「佐藤」の文字を 読んだはずだったのに、口が勝手に 「鈴木さ〜ん!」と‥‥。 自分では気づかなかった振りして 応対しました。 (留吉)
会社の同僚に 岡ちえみちゃんという子がいるのですが、 愛らしい彼女は 同じ部署の上司や先輩からも 「ちえみちゃん、ちえみちゃん」 と呼ばれていました。 ある日、隣の部署の課長がやって来て、 彼女に向かって 「堀さん」と呼んでいました。 (マユ)
Iちゃんに、 今度来る新人さんの名前を聞いた。 「のださんです。 漢字は、野原の『野』に、 田んぼの『ぼ』です」 ‥‥「野ぼ」さん? (ちゃんと野田さんだって わかったけどね)
私がとある窓口で 受付をしていた時のこと。 名前にフリナガをふる欄があるのですが、 柏田(仮名)さんの フリナガ欄に書かれていた文字は 「カシワ田」 まぁ、田は田ですよね‥‥。 (ふく)
ファミレスで順番待ちをしていたら 「オキツ様〜、オキツ様 お待たせいたしました」 ウェイトレスさんが呼び出しをしました。 近くにいた男子中学生の一団が ゾロゾロとついていったのですが‥‥。 その中の一人が、ボソッと一言。 「オギノなんだけどな‥‥」 誰もいなくなった後、 名前を書く用紙を こっそりのぞいてみたら 「オキ〃ノ」 に近い筆跡で書きなぐってありました。 ウェイトレスさんが正しいと思いました。 (やぶ)
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