おやおや、またお会いしましたね。
金曜日はピンク色、ですって?
とぉんでもない! 塩もコショウもない!
それは黒です。ブラックです。
先週発売されて各地で大好評の
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』が
『黒の言いまつがい』と『ブラックの言いまつがい』
になってしまい、本屋の店員さんが
大混乱してしまうほどのブラックです。
いえ、実際には、『金』と『銀』のままですよ?
ともあれ、「言いまつがい暗黒編」!
心臓に毛が生えていない方は
読まないでください。
あなたは‥‥。
ポーカーフェイスを貫くことができるか?
ぎゃあああああああああああ!
以前書店に勤めていた
夫から聞いた話です。
当時ベストセラーだった
『人間万事塞翁が丙午』
を探しに来たお客さんが
『人間万事窮す』
 はないかね?」と。
(万事窮してはいけないよね)
数日前から、
「ここにあった乾電池がない‥‥」と
探していた母が、
昨夜、うれしそうに言いました。
母「乾電池、見つかったよ!」
私「ヨカッタね」
母「お母さんの
  怨念で探したんよぉ」
私「あぁ、ほんとー。
  怨念が実ったんやぁ。
  よかったなぁ」
お互い、明るい笑顔で会話していたのが
あとで考えると怖かったです。
(しばらく失せ物は
 怨念で探してもらいました)
中学のころ、社会のテストで
アメリカの工業都市の地名を聞かれ
書いた答えが
「デストロイト」
(エイジ)
この間、テストがありました。
「新しい内閣総理大臣は誰か?」
という社会の問題。
ある人は「あべ じんぞう」
ある人は「あべ かんぞう」
そしてさらにある人は
「あべ心臓」と書いたそうです‥‥。
(あきこ)
お昼のおべんとを買いに行って、
日替わりのおかずをちらっと見たら
「チワワのカラアゲ」
とあった。は? と思って見直したら、
「チクワのカラアゲ」。
(めんたいこ)
父の名前は「○○ 侃」といいます。
なかなか珍しい漢字なので
よく間違えられますが、
今までの人生で一番ひどかったのは、
「○○ 」宛てで
書かれた年賀状だそうです。
「正月早々、呪わなくても‥‥」という
寂しげな父の感想が、忘れられません。
似てるけどね‥‥。
(あちゅ)
職場のパソコンの
メールを整理していたんだけど、
送信履歴の中のメールで
「株式会社○○ ××様」
ってところが、
かび式会社○○ ××様」
になってるのがあった‥‥。
(x1KOU)
その昔、大学に入ってすぐに
フレッシュマンキャンプがありました。
気軽にお話できるチャンス!
とばかりに、憧れの教授が
雑談している輪に加わりました。
小説の話になったとき、
私は気取って言い放ちました。
「カフカの『毒虫』
 おもしろかったです!」
‥‥奇妙な沈黙。
教授に「『変身』ですね」と
訂正された時の恥ずかしさったら!
今でも思い出すと顔から火が出ます。
(ほの)
言いまつがいでは
ないような気もするのですが
私の心に残っている
おもしろエピソードです。
私が高校生のとき、
隣の席と斜め前の席に座っていた
男子二名のある日の会話。
A「なぁなぁ、
  俺が死んだら葬式きてなー」
B「おぅ! 電話して!」
(死人にくちなし)
ぎゃあああああああああああ!
いかがだったでしょうか?
ひょっとしたら、
つぎに暗黒の「言いまつがい」を
耳にするのは、
あなたかもしれません‥‥。
ひょっとしたら、
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』には
暗黒編の名作がたっぷりと
収録されているのかもしれません‥‥。
どちらさまも、ぜひよろしく‥‥。
ご縁がありましたら
またお会いしましょう。
ぎゃあああああああああああ!

イラスト:しりあがり寿


2006-12-08-FRI
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN