山奥にこんこんと湧く泉のように、
「言いまつがい」に寄せられるメールが
尽きるということはありません。
今日も全国のおっちょこちょいの
みなさまから送られた、
さまざまな「まつがい」を特集します。
日常に生じる些細な些細な非日常。
どうぞ最後までのんびりお楽しみください。
携帯電話で、時報を聞きながら
腕時計の時刻合わせをしようと思ったら、
腕時計を耳に当ててしまいました。
(秒まできっちり合わせたい)
ある夜の帰り道。
近所の塀のところに白地に茶のぶち猫がいたので、
微笑みながら近づいたら、
それは枯れた花がそのまま植えられていた
白い植木鉢
でした‥‥。
(猫好き)
元気よく歯磨きをしていて、
歯ブラシが鼻に入った
ほっぺを刺しそうな勢い
飛び出したりしたことのある者ですが、
昨夜は眉間にまで飛び上がりました。
さすがにこれ以上歯ブラシが高く上がった方は
ないのではないかと考えますが、
みなさま、いかがですか。
(ママムー)
フィットネスクラブで
スポーツシューズに履き替えようと足元を見たら、
ソックスが
ブルーとパープルの左右色違い
でした。
仕方ないので着替え用のを出したら、
なんとそれもピンクとパープル
洗濯物を取り込む時に適当にしまったようです。
かろうじてそろったパープルでスポーツをして、
着替えは残りのブルーとピンクを履きました。
気づかないでいたときは平気だったのに、
帰りは足元が気になって仕方なかったです。
(HIP HOPに夢中)
高校3年生の時のまつがい。
ホームルーム終了後、
隣のクラスの友人のところへ行こうと思い、
ガラガラッとそのクラスのドアを開け、
「えりこっ!!」と呼びました。
私の目に映ったのは友人のポカ〜ンとした顔。
なんで? と思ってあたりを見渡すと、
隣のクラスはまだホームルーム中。
頭が真っ白になり、
そのまま黙ってドアを閉めました‥‥。
いきなり乱入したとはいえ、
先生ぐらい突っ込んでくれたっていいのに。
(みほ)
看護師をしています。
外来診察についてました。
患者はご高齢のご婦人でちょっと耳が遠い。
先生は、ゆっくりと大きな声で
「こうやって、
 舌をべぇ〜って出してみてください。
 こうやって‥‥
 舌をべぇ〜って」
とても優しい先生です。
でも、先生‥‥
あなたはマスクをしたままです。
(患者と2人でおろおろ)
スーパーの肉売り場で
パートをしている友人の話です。
「100グラム198円」の肉を
「100グラム18円」
にしてしまったんだそうです。
当然のことながらすべて自動的に計算されるわけで
500グラムくらいの肉が90円ほどになるんです。
飛ぶように売れるそれを見ながら
今日はやけに売れるな〜
と呑気に思ってたそうです。
残りわずかになったところで気づき
呆然となったとか。
(みんと)
私が夏にレストランで
ランチを食べていたときです。
食後のデザートにシャーベットがついてました。
暑い時期だったので、
シャーベットの中に入っていた
氷の粒がとてもおいしかったんです。
夢中で食べた後、
歯の奥に堅い物がつまってとれない‥‥。
ナンだろう? と楊枝で出してみると
キラキラと輝く氷の粒が。
「なかなか溶けない氷だなあ」
と思いながら空になった容器に目をやると、
シャーベットの入っていた
ガラスの小鉢が欠けていました。
「‥‥あ。これガラス?」
友人のランチについてたシャーベットに
氷の粒は入っていませんでした。
(強靱な胃の持ち主)
芸者を生業としているため、
もちろん仕事は着物を着て行くのですが‥‥。
先日、予約の仕事が突然30分早まる事になったと
旅館さんから連絡がありました。
慌てて飛び出した自分の足元をタクシーの中で
ふと見たところ‥‥つっかけでした。
もちろんタクシーさんに家まで戻っていただき
草履に履き替えましたが、
お座敷に入ってしまっても
仲間の芸者は笑いっぱなしで
その日の肴になってしまいました。
(t)
芸者さんの「まつがい」というのは、
なんというか、風情がありますね。
みなさまからの投稿、
まだまだお待ちしていますよ。
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気負うことなく気軽にメールしてください。
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イラスト:しりあがり寿


2007-01-07-SUN
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN