言ったあいつが悪いのか、
聞いたおいらが悪いのか、
どっちもどっち、どっちもどっち。
ただひとつわかっていることは、
「言いまつがい」があるのなら、
「聞きまつがい」だってあるのです。
よくある話と微笑みながら、
どうぞ最後までのんびりお楽しみください。 |
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職場で「係長!」と言っているのが、
よく「ゆかりちゃん!」
と聞こえてしまい、
つい、返事をしてしまったり、
顔を上げて声のした方を見てしまいます。
(係長ではない、ゆかりちゃん) |
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知人が言った。 「90歳なの」
よくよく聞くと、
「今日取材なの」だった。
(ママムー) |
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友人が 「うちの虫メガネ」と
いきなり自分の
「虫メガネ自慢」を始めました。
「フツー、虫メガネなんか
自慢するか?」
と訝しく思っていたら‥‥。
「うちの娘がね」
という、子供自慢でした。
(BCE) |
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テレビでアナウンサーが 「隠し子を取得」
と言ってました。
そんな話題を放送するのか、と慌てた私。
「隠し子?」と、
隣で一緒に料理していた母に尋ねると
「博士号」と、訂正。
母は私のききまつがいに慣れている。
(k) |
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テレビのニュースを聞きながら
家事をしておりましたところ
アナウンサーが言いました。
「愛のクーデターは
2日目を迎えました」
なんのこっちゃいと画面を見ると、
タイのクーデターでございました。
(た) |
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殺人事件のニュースを途中から見た先輩は
「寝込みを襲われ‥‥」を
「猫に襲われ‥‥」
と聞きまつがい、
人を殺すなんてすごい猫がいるなぁ、
と思ったそうです。そして
「ハシゴをかけ、二階の窓から侵入‥‥」
と聞いて、猫なのにハシゴもかけられるなんて!
とさらに驚いたところで、
はっと聞きまつがいに気がついたそうです。
(今や私も中年社員) |
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品のよい家庭でおっとりと育った友人。
お花のアレンジ教室でお稽古中、
何やらガラス越しの窓の外で
ダダダと走る数人の若者。彼らは 「中継!」
「中継だ!!」
と口々に叫んで
全速力で駆け抜けて行ったそうです。
同時に隣でアレンジしていた女子2人と
フラワーショップの店員の男子が
いきなり立ち上がり
彼らの後を追って、全力疾走。
友人は、
「まあ、有名人? 何の中継かしら~?」
小首をかしげて考えていたところ‥‥。
しばらくして帰ってきた3人は
ものすごく暗~い顔。
肩をがっくり落として曰く、
「間に合わなかった‥‥」
「前の2人はセーフだったのに‥‥」
「きぃーっ! くやし~」
彼らは、ばっちり
「駐禁」の切符を切られていたのでした。
(近頃やけに多いんだ) |
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看護師の友人は、学生の頃患者さんに
「スポニチ、買ってきて」
と頼まれて、満面の笑みで返事をし、
売店で購入したスポンジを手に
病室に登場し、
大爆笑をかったことがある。
(たまきママ) |
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彼女との2回目のデートを終えて
立ち寄った喫茶店で、
まだ初々しかった私たち2人は
無言の状態に陥ってしまいました。
このままじゃアカンと
無理矢理に話題を絞りだそうとして、
「そうそう」といかにも
思い出したかのように
彼女に話しかけると、
同じく話のつなぎに困っていた彼女は
「そうですね。
それじゃぁ、そろそろ‥‥」
と帰る支度を始めてしまいました。
そんな彼女とは、来月挙式の予定です。
(つろっこ) |
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聞きまつがいです。
昨晩、疲れてぐったりと横になっていると、
5歳の息子が 「背中押して
あげようか」
と聞いてきました。とても喜んで
「うん、お願い」と答えると、
あっかんべーの
でき損なったような顔をして
「ほら見て」と言いました。
「変な顔してあげようか」
だったみたいです。
(ぬか喜びの父) |
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ああ、最後の話は、なんて素敵。
「変な顔してあげようか」なんて
ふつうのオトナは思いつきもしないよね。
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あちこちでよい評判となっている 『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』、
もうお読みいただけましたか? イラスト:しりあがり寿 |