おやおや、またお会いしましたね。
金曜日はピンク色、ですって?
とぉんでもない! まだ炊けてない!
それは黒です。ブラックです。
マゼンタを5パーセント上げて、
シアンを3パーセント下げて、
ってな感じで微妙な色合いを
調節しているデザイナーの頭に
バケツ一杯の墨汁をぶっかけるような
乱暴きわまりないブラックです。
すなわち、「言いまつがい暗黒編」!
心臓に毛が生えていない方は
読まないでください。
あなたは‥‥。
ポーカーフェイスを貫くことができるか?
ぎゃあああああああああああ!
美しく心洗われるような音が
テレビから流れてきました。
義母いわく、
「いつ聞いてもええなぁ。
 オカルトの音‥‥」。
おかあさま、それはオカリナでは。
(ふみこ)
寒くなってきた日、夕飯はお鍋でした。
お鍋をつつきつつ、母がひと言。
「あ、入れないと‥‥」
「肉入れないと‥‥」
と言いたかったようです。
「おい、食われるぞ」
とうちの犬に話しかける父。
(うに)
友達と2人、ゴハンを食べていて、
友達が自分の姿勢の悪さに気づき
「お行儀が悪いな」
と言いたかったようだけど、
出てきた言葉は
「往生際が悪いな」
‥‥しばらく笑いが止まりませんでした。
(ささっち)
「それは後回しでいいや」
と言うところを
「それは手遅れでいいや」
と言っちゃいました。手遅れはダメです。
(ルッコラ)
同僚とラ・フランスの話をしていました。
「あー、あれおいしいよねー。
 なめらかーな
 食当たりがいいよねえ」
「‥‥口当たりじゃないっすか?」
(じゅにとさくら)
友達が
「ごめんね、とぐろ巻いちゃって」
と言いました。
「クダまいちゃって」
と言いたかったのだそうです。
(見咲子)
現在、フランスに留学中です。
カンヌで大絶賛だった北野武監督は
フランス人も大のお気に入りで、
テレビで北野監督の映画をよくやるんです。
で、電話で母に
「今日、日本映画を観たよ。
 『菊次郎の‥‥』」
といったところで母が勢いよく
「『菊次郎の墓』!」と。
(ゆま)
学生時代の先輩のウェブ日記を見ていたら、
ちょっと元気がないようでした。
そこで言葉を選びながら、
日記にコメントをつけたのですが、
後で見返したら
「どうかチャレンジを
 続けないでほしい」

という最悪なことを書いておりました‥‥。
「チャレンジを続けてほしい」と
「あきらめないでほしい」が
いけない具合に混ざった模様です。
(姉さんホントすいません)
彼氏がテレビで映画らしきものを見ていたので
「何見てるの?」
と聞いたら
「容疑者呪い死に」
という返事。
「へぇ、ホラーか何か?」
と聞いたら
「『容疑者 室井慎次』だよ!」
と言われてしまいました。
たまたま見たのが、
暗い表情の黒髪の女性が
出ている場面だったはいえ‥‥。
「ろい」しかあってないじゃん、自分。
(ばもばも)
大学へ行くバスを待つ間、
反対側の車線を横切ったバス。
ふと見ると、横の広告用スペースに
「子供売ります」の文字。
えぇ? と思ってよく見ると、
「子供服売ります」でした。
(かおる)
買い物中、母が、
「えーと、霊魂は買ったかしら」
と、買い物カゴの中をごそごそ。
ゾッとした私の目の前で、
「あー、あったあった」
と母がカゴから取り出したのは、
ベーコンのパックだった。
(ちゃむちゃん)
ぎゃあああああああああああ!
いかがだったでしょうか?
ひょっとしたら、
つぎに暗黒の「言いまつがい」を耳にするのは、
あなたかもしれません‥‥。
ひょっとしたら、
表参道のランチは意外に安い!
のかもしれません‥‥。
それはそうと、ですが‥‥
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』にも
身の毛もよだつ暗黒編が収録されています‥‥。
ご縁がありましたら
またお会いしましょう。
ぎゃあああああああああああ!

イラスト:しりあがり寿


2007-02-02-FRI
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN