その1097
言おうとしたことと、
違うことを言ってしまった。
ああ、それだけといえば、それだけのことなのに。
どうしてこんなにおもしろい。
あはは、と笑えば、気分すっきり。
せわしない日々をしばし忘れてお楽しみください。
ご存じ、元祖「言いまつがい」!
今日も傑作がずらりとそろってます。
最後まで、ごゆっくりどうぞー。
ちょっと小洒落た和食やさんで、
お着物の仲居さんが
「デザートをお出ししてよろしければ、
その
ブザート
でお知らせください」
と言いまつがいました。
(みっちゃき)
こないだ、高級レストランへ彼氏と二人で食事へ。
いつもと違う高級感タップリで、
オシャレな雰囲気にすっかりうっとり。
ひととおりオーダーを終えた
テーブルサービスのジェントルマンな紳士が、
「それでは、ご一緒に
ワインなんて
いかがでしゅか?
」
となりのテーブルの人まで、笑ってました。
(あやか)
居酒屋でサラダを頼んだ友人。店員から
「和風ドレッシングと、イタリアンがあります」
と言われて、「イタリアンで」とお願いした。
けれど、店員が立ち去ろうとした時になったら、
急に気分を変えて叫んでました。
「スイマセン、
わっぱ、や風!
」
(さつき)
先日、動物がたくさん描いてある絵本を見て
私が言い放った一言。
「あっ、
ほくろう
もいる」
(もちろんフクロウ)
夜中に腹痛に襲われた私。
なんとか治まった翌朝、彼が心配そうに一言。
「体調どう?
夕べは
抱腹絶倒
だったね」
‥‥日本語って難しい。
(ただの生理痛でした)
娘が家庭科の宿題で
一食分の献立をつくることになりました。
あれがいい、これもいいね、と盛り上がり、
一通りアイデアが出揃ったかな、というところで
まつがってしまいました、私。
「
炊きたて卵
と
新鮮なご飯
で、
たまげこ
は?」
まつがいすぎです。
(卵かけご飯)
兄弟水いらずで
昼食を食べようと入ったうどん屋でのこと。
店員「ご注文は?」
弟 「俺、うどんと、
いなら
」
兄 「おまえ何言いよるんか、
恥ずかしいのぉ〜!」
弟 「いや、『いなり』っち
言おうと思ったら‥‥」
と店員さんとさんざん笑った後、
威厳を保とうとした兄の口から出たのは、
「いどんとうなり!」
どっちもどっちじゃ〜。
(まつがい兄の妻)
専門学校生だった頃、
同級生なんだけど2コ年上の
とてもきれいなお姉さんがクラスにいまして、
憧れの的でした。
ある朝、駅から学校までの道のり、
偶然に一緒になって並んで歩いていると、
「今度のクリスマスパーティーは
何を着て行くの?」と彼女。
そうとう緊張して心臓バクバクしてるボクは、
「うん、タキシードを着ようかな、
と思ってる‥‥なんてね‥‥ハハハ」
と言うつもりが、
「うん、
レオタード
を着ようかな、
と思ってる‥‥なんてね‥‥
ハッ!!!」
よりによってタキシードと
レオタードを言いまつがい‥‥トホホ。
顔から火が出そうでした。
(りくっち)
私が高校の野球部の
マネージャーをしていたころのことです。
監督に先輩の居場所を尋ねられたので、
「ヨシモト先輩は‥‥」
と答えようとしたところ、
「よ、よよ、
よよよよよよよよよ‥‥」
と信じられない速さで
「よ」ばっかりがでてきたのです!
笑いをこらえながら一息ついて、
名前を言おうとしたら
「よよよよよ‥‥」
とまた同じ現象が‥‥。
私は笑いが止まらず、監督は
「どうなった?!」というような顔で見ていました。
恥ずかしくてしばらく監督から遠ざかっていました。
(ちーちゃんママ)
私の母は駅で
「ペンチ、ペンチ」
と座る場所を探し、
針金を切ろうとして
「ベンチ、ベンチ」
と引き出しをかき回しております。
(ぶーふーうーの母)
みなさまからの「言いまつがい」、
私たちはつねにお待ちしております。
「あんまりおもしろくないかも‥‥」
「まえにもう出ちゃったかな‥‥」
「文章書くの苦手だし‥‥」
いえいえ、どうぞご心配なさらず!
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イラスト:しりあがり寿
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2007-02-15-THU
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN