その1194
とあるフレーズが、
耳から入り脳に至るあいだに
どこかでドラマティックに変換され、
まったく違うフレーズに変化してしまう。
そうです、それが「聞きまつがい」。
冷静になれば、そんなわけないじゃん、と思うけど、
そのときはそう聞こえちゃったんだからしょうがない。
今日も愉快な「聞きまつがい」が
たっぷりそろってますよ。
どうぞ最後までのんびりご覧くださいませー。
年末、車で高速道路を走っていました。
運転していた夫がいきなり
「カレーライス!」
と叫んだので、何事かと思ったら
私たちを猛スピードで追い抜いた車の事でした。
疾風のように去っていった車は
ポルシェの「カレラS」。
(わた)
台所でお餅を手にした夫に
「みちのく演歌で
何かいい歌ないかな」
と聞かれました。
カラオケ大会でもあるのかと思ったら、
「餅の食い方で何かいい食い方ないかな」
だったそうです。
(た)
「SALE、行きた〜い!」
と母に言ったら
「セーラー服着た〜い!」
と聞こえたらしく
変態を見るような視線をおくられました‥‥。
四捨五入したら30歳だもんね‥‥。
(shibafu)
私の先輩の話です。
先輩がまだ新入社員だったころに
新人なので電話番をしていたそうです。
先輩「
マイク・チュービンさん
から
お電話です」
上司「マイク?」
先輩「外人さんみたいです」
‥‥しばらくして。
上司「バイクQ便だったぞ」
(しぐ)
私の同期の子は、
本社の「営業推進部の山田さん」から
かかってくる電話を、半年ぐらいずっと
「
円安新聞
の山田さん」
と思っていたらしい。
上司に電話を取り次ぐ際も、
「課長、
円安新聞
の山田さんです」
と言っていた。
上司も特に気づいていなかった様子。
彼女は
「この新聞社は、
円高になったらどうするんだろう‥‥」
と余計な事を心配していたらしい‥‥。
(みすたー)
塾で、先生が
「お茶会に行ってくる」
と出かけた。
普段着でいいのか?
生徒をほったらかしでいいのか?
などと考えていたら、
片手にペットボトルのお茶を持って帰ってきた。
傍のコンビニに、お茶を買いに行っただけだった。
(どどみん)
先日、お天気が下り坂の寒い日に
友人と街を歩いていて、私が
「もう、曇ってきちゃった」
と言ったら、友人が
「えっ!
毛布持って来ちゃった
の?!」
って‥‥。
いくら寒くてもライナスじゃないんだから。
(すぬうぴい)
ある男性が
「あの映画観に行きたいねぇ、
ええっと、
『アイドル王子』
」
と言いました。
「アイドル王子、ですか?」
と、話を聞いていた男性。
よく聞いてみると
『愛の流刑地』のことだったようです。
(こんた)
会社の同期と3人で映画を見に行った時のこと。
待ち時間に話題の映画の話をしていると、
「『愛の流刑地』18:10の回、
ご入場いただけます!」
というアナウンス。私が
「『愛の流刑地』って人気あるみたいだね」
と言うと、ひとりが
「
『アイドル刑事』!?
何それ!?」と聞きまつがい。
もうひとりは笑いが止まらず、
飲んでいた抹茶ラテを吹き出さないように
必死に握りしめていました。
(モモヲ)
学生時代、古い寺社を巡るゼミ旅行中。
のばしていた前髪が
ちょうど中途半端な長さで、
うっとうしくなってきました。
ヘアピンでバシッと止めたいが、
宿の周辺は山中でコンビニも見当たらず。
自分以外唯一の女性で、
ピンを使ってまとめ髪をしていたMさんに
「すみません、ヘアピン余分にもってたら、
旅行中貸していただけませんか?」
と、頼んでみました。
10分くらい後、Mさんに
真剣な顔で人気のない廊下に呼び出され
「タオルに包んだ
ナプキン
6個パック」
を手渡されました。
誤解が解けたMさんと私は、
しばらく笑いが止まりませんでした。
確かによく知らない女性から、困り顔でヒソヒソと
「〜あったら貸して」とささやかれたら、
私もそっちの方のだと断定してしまうかも‥‥。
Mさん、あの時はありがとう!
(なおすけ)
会社から帰宅した時、
上着を会社に忘れたことに気づいたので妻に
「今日、会社へ上着置いてきた」
と言うと妻は
「はあ〜? 何だと〜?」
とすごくお怒りの様子。
「今日、
会社で浮気してきた
」
と聞きまつがえたのでした。
まさか、そんな事はありえません。
ありえませんとも。えぇ。
(明日晴男)
「聞きまつがい」であろうと、
「言いまつがい」であろうと、
ピンときたら、すぐに投稿するべきでしょう。
下の「投稿する」ボタンをクリックし、
その出来事をざっと書き表したら、
深く推敲することなく送信ボタンを押してください。
やってみると、意外に簡単ですよ?
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
も
どうぞよろしくお願いします!
イラスト:しりあがり寿
はじめて投稿する方へ
2007-05-23-WED
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN