その1264
人名、曲名、会社名、キャラクター名、
漫画のタイトル、雑誌の名前‥‥。
ふと見渡せば、そこは固有名詞であふれています。
だからこそいま「固有名詞の言いまつがい」特集。
うろ覚えだから「言いまつがう」こともあるし、
わかってるのに「言いまつがう」こともある。
今日も傑作満載でお届けいたします。
最後までごゆっくりお楽しみくださいませ。
テレビを見ながら芸能人の話をしていて、
木村カエラさんの名前を度忘れして
必死に脳内検索。
「ほら、色の白い、カ行の、
　えっと‥‥片桐はいり！？」
いくらなんでも違いすぎるだろうと
総ツッコミをくらいました‥‥。
（８月）
父がテレビに向かって言いました。
「森本チョボリが出てるぞ！」
日本ハムの森本ひちょり選手でした‥‥。
（ゴーヴィレッヂ）
このあいだ、うちの上司が
『ハチミツとクローバー』を
『みつばちとクローバー』
 って言ってました。
気持ちはわかります。
（うに）
友達が、
「恐竜の子供みたいなやつで
　緑色のグリンピースみたいな、
　ガ、ガ、ガ‥‥」
もう一息！というところで
「そうだ、ムック！！」
そりゃ赤い方だよ‥‥。
（きなこもち）
母と買い物へ。
「あそこに行きたいのよ。
　えーと‥‥
　マツモトタケシ！」
だれ？　親戚？
ニアミスです。
（太陽のおつきさま）
うちの母さんは、
最近、うちの田舎にできたドラッグストアの
「マツモトキヨシ」のことを
「マツモトキヨシロウ」
と言います。
おかげで、我が家での略称は
「マツキヨ」ではなく「キヨシロウ」です。
ロックスターみたいで、ちょっと気に入っています。
（かよこ）
マツキヨを「ヤマシタキヨシ」と
言いまつがっていた義姉の同僚は、後日、
「今朝、ヤマモトキヨシに
　行ってさあ‥‥」と
まだまつがえていました。
何ゆえそんなに「山」にこだわる！？
（もうひといきです）
私の母は、短縮語に弱い。
ドラッグストアーの
マツキヨ（マツモトキヨシ）のことを、
「キムタクで
　トイレットペーパーが安かったよ」
なんてのは、日常茶飯事。
（ぷんくピョン）
兄と車に乗っているとき、薬局行かなきゃと思い、
「ヤスキヨ寄ってっ！」
と思い切り、言いまつがい。
兄の反応がなかったので、
今のうち必死にフォローで、
「今、マツキヨで○○が安いんだよねぇ〜」と言うと、
「へぇー」と言ってそれ以上の反応がないので、
「よっしゃ、ごまかせたっ！」と喜んでたら‥‥
「っていうか、ヤスキヨって言ったよね」
と淡々と突っ込まれました。
（ぬか喜びした妹）
同僚と卒業式の歌の話をしていました。
最近はスマップの
『オレンジ』という曲が人気らしいと言うので、
「なんかそんなタイトルの曲
　ほかにもありましたよね」
とたっぷり間を置いた後、
「『アスパラ』」と言い切ると、
「‥‥もしかして『セロリ』？」
と恐る恐る言われました。惜しい！
（惜しくない）
祖母とスーパーへ行った時の話。
祖母が雑誌のコーナーでなにやら探しています。
「何探してるの？」と訊く私に
「サラダボールっていう本探してるのよ」
と目を陳列棚から離すことなく答える祖母。
私もその「サラダボール」を一緒に探しました。
数十秒後、祖母が「あった！」と手に取った雑誌は
「レタスクラブ」でした。
（Sunday毎日）
私が高校三年生の頃の話です。
英語の授業中、
「えーと、なんでしたっけ‥‥あれ」
と何かを思い出そうとする先生。
話の流れから、その何かが
『スケバン刑事』であることがわかりましたが、
あえて黙っていました。
すると何を思ったか、先生は
「ステファン・レコ！」
 と叫びました。逆に感動しました。
（マスかっと）
香港のメントール系塗り薬。
私の母はそれを
「タイガービーム」と言う。
すごく効きそうです。
（シュワッチ！）
ひとつの「言いまつがい」が
べつの「言いまつがい」を喚起し、
さらにひとまわり大きな
「言いまつがい」の輪が広がります。
その中核となるのがあなたの投稿なのです。
であればこそ、ためらわず
下の「投稿する」ボタンをクリック！
ことのあらましを書いて送るだけ！
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』には
固有名詞の傑作もたっぷり収録されてますよー。

イラスト：しりあがり寿


2007-08-01-WED
もどる
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN