そ、そんなバカな!
私は思わず耳をうたがった。
うたがって、よかった。
だってそれは「聞きまつがい」だったのだ‥‥。
というわけで、行ってみましょう、
「聞きまつがい」特集。
今日もいろんなことばがいろんなふうに
「聞きまつがわれて」いますよー。
最後までのんびりとご覧くださいませ。 |
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仕事中、前の席の人が突然
「浄瑠璃持ってます?」と
聞いてきた。
「浄瑠璃?!」と思わず聞き返したら
「いや、定規」と淡々と返されてしまった。
そりゃそうだ‥‥。
(浄瑠璃ってどう持つんだろう) |
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会社で仕事が一段落したので
みんなでお菓子を食べようとした時、先輩が
「はい、褒美じゃ!」
と言うので
なになに? と思って
先輩が持っているお盆を見たら
「ほうじ茶」の間違いでした。
なーんだ、ガッカリ。
(ティータイム) |
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結婚式場で着付け助手のバイトをした姪、
花嫁さんに
「そのゾーリを取ってください」
と言われたのを聞き違え、
ホーキを渡してしまった。
「晴れの日に、掃除させる気?」
と、先生に嫌味を言われたそうな。
どっちも「はく」ものですが‥‥。
(ヤスジロー)
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主人と買い物をしていたときの事。
何点か買い物をしていた主人が
おもむろにこちらを向き
「屁するから、これ持ってて。
屁するから」
と言いました。
私が驚いているのを尻目に
主人は買ったものを私に渡し、
奥にあるクリアケースを手に取りました。
そうです、主人は
「ケース取るから‥‥」と言っていたのです。
(いちごぱふぇ) |
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なんの話をしていたか忘れましたが、
彼が何かひとしきりしゃべったあと、
「ロナウジーニョのまねして
言ってみた」と一言。
「でもさ、あの人外人でしょ?
日本語しゃべれたっけ?」と私。
「‥‥誰もそんなコト言ってないけど。
うちのおじいのまねしたんだよ」
こういう事が、日常茶飯事な
私の耳はおかしいのか‥‥。
(みかきち) |
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数年前まで、書店でアルバイトをしていました。
ある日、売り場で
棚割りの相談をしていた課長に向かって、
カウンターから店員が
大きな声で叫びながら走ってきました。
「なんでもハウス相談室
からお電話ですぅ~!」
周囲のいぶかしげな視線を受けつつ、
話し始めた課長。
しばらくすると、本棚につかまり、腰砕け。
話の内容から察するに、
「ランダムハウス講談社」さんからの
お電話だったようです。
ハウスしか合ってないし。
(関西系書店員) |
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勤務先で、取引先から電話が来た時のこと。
支配人に
「『パンドラの箱』様からお電話です」
と取り次いだら後から
「『箱』じゃなくて『畑』だよ」と‥‥。
「パンドラ」の畑さんからの電話でした。
電話が不得手な私には痛恨のいちげきでした。
(ぽぽ) |
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とある受付の仕事をしているのですが、
おじいさんに、
「孫は、ありますか」
と聞かれました。
わ、私に孫が!?
これでも若く見えるし、
未婚には見えると思うんだけどなー
私に子どもがいるかどうかかな?
それとも私の祖父母が健在かどうか、とか?
それとも自分の孫の話を聞いて欲しい序章とか?
いろいろ考えながら、
「えっとー‥‥」とニコニコしてみたら、
もう一度言ってくれました。
「輪ゴムは、ありますか」
(るんるん) |
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昔よく裏山で
兄が隊長、自分が隊員として
探検遊びをしていたころ。
遊びつかれて家に戻ると母親が、
「ちょっと買い物行ってきて」と。
そこではりきって「ラジャー!」と
敬礼ポーズを取ったにもかかわらず、
「だれもブラジャーなんか頼まん!」
「ふたりで裏山で変な遊びなんか
してないでしょうね!」
とこっぴどく怒られました。
(グーリー) |
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ある日、隣の部屋から娘の声が。
「え、なーに?」
もう一度娘の声。
「聞き取れないよ‥‥」
と部屋の戸を開けると、そこにはダンナ一人。
私はダンナのオナラと
会話していたのでした。
(ぷっ。) |
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イラスト:しりあがり寿 |