その1334

な、なんだって!?
ありえないことばを聞いて、
私は、思わず、耳を疑った。
疑って、よかった。
だってそれは「聞きまつがい」だったのだ。
そんなわけで「聞きまつがい」特集。
よくもまぁ、これほど見事に、と
うなりたくなるようなネタがそろってます。
どうぞ、最後までごゆっくり。
販売業をしていた時、
バイトの男の子がお客様に
「すごいお宝ですね」
と言っていたので、
「何が?」と思っていたら、
「すごい凝った柄ですね」と、
ネクタイを褒めていたらしい。
(総務)
夫とある高級住宅街をお散歩中、
夫が「緒方拳の声だね」
と言ったので、
「緒方拳ってこの辺に住んでいるんだ」
と答えながら、よおく考えてみたら
「大型犬の声」でした。
(K)
この前、『のだめカンタービレ』を買ったのですが
母に「今日、のだめ買った」と報告すると、
「へぇ、
 私も喉痛かったから、
 一つくれる?」

それ、のど飴です。
(よしおかさん)
テレビの全国ニュースで
「車内にいた
 バツイチの高校生‥‥」と。
全国ニュースでこんなことまで言っちゃうの?
しかもその高校生いくつだよ!
とびっくりして画面を見たら
「車内にいた松江市の高校生‥‥」でした。
(チーズピー)
皆既月食のニュースを見ていたら
「‥‥みんな、束の間の
 点対称を楽しんでいました」
とアナウンサーが言っていました。
月食って「点対称」に欠けるんだっけ?
と思った時に気づきました。
「天体ショー」だった。
(ハイパーあずさ)
ある日の娘との会話
母「明日、お母さん
  免許書き換えだから朝早いよ」
娘「メンチカツカレー
  どうしたって?」
(かぼちゃの母さん)
通勤中、いつもの地下鉄のホームで、
おえらい方が通りますので、
 道を広く開けておまちください」
とアナウンス。
まじで!? どんな人が出てくるんやろ〜、
と考えたのも一瞬。
「おりられる方」でした。
朝はボーとしているので聞きまつがいが多いです。
(ゆうすけ)
会社の子が、ある日
長い髪をふたつに結んでいました。
「かわいいね〜」と言ったら、
エア地蔵を意識してみました」。
‥‥エア地蔵?
エアギターの仲間?
でも地蔵はエアにしなくても
何も持たず佇んでるだけだぞ?
そもそも地蔵を模倣するのに
なぜ髪をふたつに結んだんだ?
ほんの3秒の間に私の頭の中は
「???」でいっぱいになりました。
「リア・ディゾン」の聞きまつがいでした。
(虎柄のトレーナーは持っていない)
年度末に、
仕事の成果発表会がたくさんありました。
そんな中の一つを聞いてたら、
スクリーンに映し出された
資料のページが繰られた瞬間に
「‥‥自堕落でスミマセン」
というセリフが。
え? ちゃんと成果出してるぢゃん?
とスクリーンを見直して納得。
確かに謝ってほしい、
「字だらけ」の資料は!
(魔方陣かと思った)
空手を習い、寒稽古で
2cm程の板割りを経験した小3の息子。
国語のプリントをやりながら、ふと、
板割りの心ってどんな心?」
と聞いてきた。
息子よ、何と奥深い質問を!
そんなん師範代にでも聞いてくれよ、
と思いつつもプリントを覗きこむと、
そこに書いてあるのは
「労わりの心」‥‥。
(ヨッシーママ)
今日、昼休みにお弁当を食べようとしたら、
持ち方が悪かったらしく、
ぐちゃぐちゃになっていた。
「いやん、ひじきが散乱してるわっ」
と声を上げたら、
横で友人が驚いた顔を私に向けた。
しばらくしてから、
「あああ‥‥その散乱ね‥‥」と
納得したように下を向いた。
どうやら、彼女の中では
ひじきは産卵していたらしい。
(がちゃぴん)
「北条時宗」を
「道場のキムチ」
と聞きまつがえました。
(きのこ)
「聞きまつがい」に限らず、
あらゆる「まつがい」をつねに募集しています。
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連載の傑作が満載された
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
どうぞよろしくお願いします。

イラスト:しりあがり寿


2007-10-10-WED
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN