くり返す日常からの一瞬の飛躍。
あなたの「まつがい」をそんなふうに
とらえることもできるでしょう。
台所に、職場に、街に、駅に、
一瞬の飛躍はそこここに生じます。
まとめて並べてみると、
おやおや、こんなに愉快です。
今日もたっぷりお届けしましょう。
どうぞ最後まで、ごゆっくり。
眼鏡を複数持っている私。
ある朝早く、雷の音で目が覚めました。
テレビをつけるとなんだかぼんやりした視界。
あぁ眼鏡かけるの忘れてたと、
枕元の眼鏡に手をのばし、眼鏡をかけると。
ガシャ。あ、眼鏡既にかけてた。
ぼんやりした視界は、視力のせいではなく、
単に寝起きだったからだったのか。
(眼鏡は体の一部です)
以前リビングで気持ちよくうとうとしていたら、
母に「電話だよ」と言われ、
寝ぼけた声で出てはいかんと思い
はっきりとした声で
「もしもし!」と言ったところ返答ナシ。
「もしもしー?」と繰り返す私。
おかしいなと思い、気づくと隣には
薄ら笑いで私を見下ろす母が。
その手には電話の子機が握られていました。
私が強く握り耳に当てていたのは
近くにあったティッシュでした。
(わざわざティッシュ箱から引き抜いて)
父と一緒に新幹線に乗ったときのことです。
座席の脇をそわそわとみる父。
そして社内販売の人に聞きました。
「すいません。シートベルトはどこですか?」
たしかに、となりの人が
ショルダーバッグをかけていたけど。
(鯨さん)
昨日、友達と映画を見にいきました。
私が友達の家に迎えに行き、
少し話してから、いよいよ出発!
‥‥と思ったら、彼女は忘れ物をしたらしく、
あわてて家の中へ戻ってゆきました。
私は外で待っていたのですが、
あまりに遅いので玄関へお邪魔して、
「まだぁー?」と声をかけました。
すると2階から「いま行くー」との返事が。
数秒後、ドカドカものすごい音をたてて、
友達が階段を降りてきました。
「えっ、何この音?」
と私が怪訝に思っていると、友達は、
「靴はいたまま2階まで行っちゃったぁー」
と言いながら登場!
確かに彼女の足にはスニーカーが‥‥。
(笑いすぎておなか痛くなった)

珍しく家の電話が鳴り
「モシモシ」と出ると、うちのダンナさんだった。
しかも「なんかあった? どうした?」と
やけに焦っている。つられて私も焦りながら
「え? 何? 何もないよ? なんかあったん?」
と聞くと
「携帯見たら家から
 電話があって不在になってる。
 ん? あ、俺、朝かけたか‥‥
なんでも自分の携帯が見当たらないため、
家の電話で自分の携帯をならし、
音を聴いて探し出したそう。
そういう事いつもやってるくせに、
どうして今日はその出来事を思い出せなかったのかな?
(きたむー)

朝バタバタと携帯を探す母。
そうだ! 電話を鳴らそうと
自宅の電話から自分の携帯にかける。
どこかで携帯の音がなる
携帯をとって「もしもし、もしもし‥‥」
母が言う。
「おかしいなあ、いたずら電話やわ」
おかげで遅刻ぎりぎりの私です。
(ひ)
次女を出産、2日後の朝、
看護師さんがやってきて、
体温や血圧を測ってくれました。
「熱はないですね」「はい」
「血圧もいいですね」「はい」
「眠れましたか?」「はい」
「食欲はありますか?」「はい」
と次々質問されるので、つい
「ガスも出ました」
と言ってしまいました。
看護師さんは「えっ? そうですか」
と言い、出ていかれました。
その時だけカルテにチェックを入れずに。
あっ、それは盲腸の時だったわ〜。
カルテにそんな項目あるわけない。
ハズカシかった〜。
(さなまま)
職場のおばちゃんが、
電卓を小脇にかかえながら
一生懸命暗算してました。
(もも)
ひょっとしたら、自分の「まつがい」も、
この場に並んで遜色ないのではないか?
そんなふうに感じたなら、
いますぐ下の「投稿する」ボタンをクリック。
その出来事をだいたいの感じで書き表し、
できたところで送信ボタンを押してください。
明日も「まつがい」の特集ですよー。

イラスト:しりあがり寿


2007-10-13-SAT
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN