その1403

本日は「読みまつがい」の特集です。
といっても、いつものような
「おこと教室」を「おとこ教室」と
読んでしまうような認識の「まつがい」ではなく、
本当にその読み方を「まつがって」しまったという
「本当の読みまつがい」をお届けします。
ひょっとしたら、身に覚えのある
「読みまつがい」もあるかもしれませんよ。
どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。
某音楽大学でのまつがいです。
リヒャルト・シュトラウスの交響詩に
『英雄の生涯』という曲があるのですが、
「ヒデオのイキガイ」
と元気よく読んでいた女の子、
今どうしているのでしょうか‥‥。
(M)
友達が「悪い言葉はもう使わないよ」と言うので
「なんで?」と聞くと、
「言葉にはゴンレイが宿るからね!」
と得意気に言い放ちました。
「ゴンレイ」ではなく、
「言霊」は「ことだま」と
読むのですよ、めぐみちゃん‥‥。
「ゴンレイ」のほうが強烈な威力がありそうだけど。
(n)
国語の授業の時、急に先生にあてられた私。
目の前の文字を読もうとして、
「吾輩は猫である」を
吾郎(ごろう)は猫である」
と言ってしまった‥‥。
実はその時、「吾輩」の「吾」の字は、
SMAPの吾郎ちゃんの
「吾」の字といっしょなんだなぁ‥‥
なんてことをボンヤリ考えていたので‥‥。
(吾郎ちゃんごめんなさい)
ダンナに「小豆(あずき)の缶詰」を
買ってくるように頼んだ。
しばらくすると旦那から電話が。
「あずきの缶詰探したけどないよ〜。
 こまめの缶詰ならあるんだけどさ〜」
ダンナよ‥‥。
(KJ)
主人は納豆の豆の大きさにこだわりがあり
「小粒」と決めている。
ある時台所から
何やら叫んでいる主人の声が聞こえた。
台所に行ってみると主人が
冷蔵庫に入っていた納豆を手に持ち
「なんで大粒を買ったの?
 大粒はダメだって〜!」と怒っていた。
私が「小粒」であることを
説明しても信じてくれない。
主人は包装に書いてある
「大豆使用」の文字を
「ダイズ使用」ではなく
「おおまめ使用」と読んでいた。
(ウサギちゃん)
お土産で明太子をいただきました。
パッケージの裏の説明を
なぜか声に出して読む夫。
夫「‥‥イキモノなので
  お早めにお召し上がりください」
私「!?」
夫「あ、セイブツか!」
正しくはナマモノ(生物)です。
どうしても生きていてほしかったみたいです。
(明太子の子は明太子)
中学一年の娘は
去年兄が東京の大学に行ってから
大学に興味を持ち始めた
娘「おかーさん、アボソア大学って?」
母「ん? ロシア系の名前だねえ」
娘「漢字で書いてあるよ」
母「? どんな字?」
亜細亜大学さま、よ〜く教えておきました。
(kem)
ジャニーズ好きの妹が中学生だった頃。
某グループのメンバーの一人が
出演している映画のCMを見て
妹「これ観たいんだけど、
  このへん田舎だから来ないんだよね、
  まつたけ系の映画‥‥」
家族全員「??? まつたけ?」
しばらくの沈黙の後
妹「えっ、松に竹と書いて
  まつたけじゃないの?」
一同大爆笑。妹の将来を案じた姉でした。
(今や立派な銀行員)
居酒屋でバンドマンらしき人たちが
重い雰囲気でメンバーの一人を叱咤していました。
「やる気が出ないって言うけど、
 他に何かやりたいことがあるんならいいよ。
 でも、今のまんまじゃ何したってダメだよ。
 とことんやって
 もう無理だってところまで追い詰められて、
 初めて本当のやる気が出るってもんだよ」
「‥‥うん。
 うん、そうだよね。俺やるよ。
 『キュウチュウ猫を噛む』
 って言うもんね」
「キュウチュウ?」
どうやらその人は窮鼠(きゅうそ)を
「キュウチュウ」と読むのだと思っていたそうで、
「あれってねずみだから
 チュウって読むんじゃないの?」
と言っていました。
つまり、動物をあらわす漢字の
音読みがわからないときは
鳴き声を当てはめるというアーティスティックな
離れ業をやってのけたようです。
その後はなごみムードで会話していました。
よかったね。
(okadakenji)
知人のオフィスの机の上に
「ヌヌヌヌ社様」
と書かれたメモがあったので
「ぬぬぬぬ社って何?」と尋ねると
「双双(そうそう)社だ!」と叱られました。
(ごえもに。)
どのような「まつがい」であろうとも、
私たちはそれを大歓迎いたします。
琴線に触れる「まつがい」がありましたら、
すかさず下の「投稿する」ボタンをクリックし、
ことのあらましを簡潔に書きつづって、
できたところで送信ボタンを押してください。
長時間の移動で時間つぶしが必要なら、
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
きっと役に立つのではないかと思います。

イラスト:しりあがり寿


2007-12-18-TUE
もどる
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN