その1545
とかくこの世はややこしいですね。
あちらを立てればこちらが立たずですね。
複雑怪奇ですね。紆余曲折ですね。
ブルーにこんがらがっちゃってますね。
この、ややこしい、世界において、
読むだけでくすくす笑える
画期的なコンテンツが存在するという!
それがなにかと問われたら、
そうです、ご存じ、元祖「言いまつがい」!
いや、まあ、そんなにたいしたもんじゃないですけど。
どうぞ、最後までのんびりお楽しみくださいませ。
家事を一仕事終えたダンナにひとこと。
「お月さま〜!」
今日は十五夜か?
「お疲れ様」って
言いたかったんだってば。
(まんまる)
僕の母が、僕が飲み残した
ペットボトルのジンジャーエールを指差し
「この
チンジャオロース
、
あんたの?」
(やなぼー)
友達がうちの冷蔵庫の中を見て、
うれしそうに言った。
「あ! おいしそうな
ウクレレ!
」
エ、エクレア?
(色は同じ)
お酒の話で盛り上がっていたときのこと。
友達が
「あのカクテルおいしーよね。
プレーリードッグ
」。
ん? 今なんて‥‥
「だからプレーリードッグ。
塩の付いたグレープフルーツ味の‥‥」
ってそれはソルティードッグですよ。
(やすじラブ)
今日は雨が降ったりやんだりな日でした。
私が外回りに行ってお店に帰ってきたとき
店長が一言。
「外まだ
傘
降ってた?」
それはマジで危険ですよ、店長。
(kid)
先日の夕食時。
「できたわよー、運んでー」の母の声に、
いそいそと食卓の準備を始めた私たち姉妹。
ゆでたブロッコリーを運んできた妹が一言。
「あれ持ってきて、あれ、
マドッコリー!
」
ブロッコリーにマヨネーズを
かけて食べたかったらしい‥‥。
なぜ「まど」??
(はなこ)
白鵬のインタビューを聞いて、
日本語の流暢さにあらためて感動した私が
「この人本当に日本語上手だよね。
日本人かと思ったよ」
と言うと、友人のA子ちゃんは
自信満々の顔で
「ちがうよ!
モルゴン出身
だよ!」と。
近そうで遠そうな国だな、モルゴン。
(おかーちゃん)
肩こりの話題で、同僚のRちゃんが
「肩が凝ってると、
両腕を上に上げて寝るんだってよ、
無自然
に」と言いました。
2秒くらい考えてから、
「『自然に』と『無意識に』が混ざったでしょ」
と言うと、
「このくらいスルーしてくれてもいいじゃない!」
とRちゃんは大憤慨。
(ぶに)
ようやくアポイントが取れた相手に、
うれしくて
「お会いできるの、楽しみにしています」
と言おうとして、
「会えるの
お楽しみにしています!」
「お」のつけまつがいで、
随分くだけたヤツになってしまいました。
(えいち)
以前大手流通メーカーの課長さんと、
店外催事の打ち合わせをしていた時のこと、
彼が、商品配置図の一角を指差して一言
「ここに
コガモ
を並べます」
「フェラガモの小物」を言いまつがわれたのですが、
お茶目で、しかもそちらの方が言いやすかったので
催事が終わるまで「フェラガモの小物」たちは
「コガモ」と呼ばれていました。
(マガモ)
中学校の頃、私は吹奏楽部でした。
みんなで合奏をしようと
大きい部屋に集まったら
ホルンだけ来ていません。
「今日、ホルンは来ないの?」
と誰かに聞こうとして口から出た言葉は
「きょるん‥‥」
。
幸い誰にも聞かれていませんでしたが
恥ずかしいのでもう聞くのをやめました。
(私はふるーと)
「
眉
にしないと
斜め
が描けないのよー」
と言いながら、母が鏡の前で
体を斜めに傾けて眉を描いていた。
(ぬご)
どのような「言いまつがい」でも、
照れず、臆せず、遠慮せず、
私たちに気軽に送ってくださいな。
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ことのあらましをだいたいの感じで書きつづり、
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イラスト:しりあがり寿
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2008-05-08-THU
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN