すべての子どもたちは美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
ところが、その、燃える命ともいえる名前は
しばしば、他者によって
あっさりと「まつがわれて」しまうのです。
そのような例をたくさん集めてみましたよ。
つまり、「名前の言いまつがい」特集。
最後まで、どうぞお楽しみくださいませー。 |
 |
 |
私の苗字は
「今清水」と書いて「いましみず」です。
何も複雑なところはないのに、
口で名乗れば「岩清水」と表記され、
字で書くと「いまいずみ」と読まれます。
いつものことなので気にしません。
しかしある日、電話で名乗った後、
自分宛に来たFAXに書かれていた名前は 「岩泉様」でした‥‥。
気持ちは汲みますが、元の字の面影もない。
(今清水) |
 |
私の名はケイコ。姉の名はショウコ。
ある日母がこう呼んだ。 「シェーコ!!」
‥‥今、どっち呼びました?
(レレレのレ) |
 |
息子の名前は「永(ひさし)」。
なかなか、ひさしとは読んでもらえず
「えいちゃん」とか呼ばれることも多々。
大学へ入学して、事務局の方から電話があった時、
「ひょうくんのことなんですが」
「へ???」
「氷(こおり)と書いて
ひょうくんですよね」と言われ
ちょっとそれ点の位置が違ってます! とも言えず、
ものすごいまつがいをしてくれる人だ! とあ然。
(そんな冷たい名前‥‥) |
 |
部長に電話がかかってきた。
「吉井部長、西村さんから電話です」
少し不機嫌そうな声で
「うん」と言って電話に出た吉井部長は、
「はい、吉村です!」と
50年以上も名乗ってきた
名前をいとも簡単に間違えていた。
(スティング) |
 |
昔、日本語の話せない
カナダ人、アメリカ人、イギリス人ばかりの
会社で働いていた時、
外出中のカナダ人上司宛ての電話を受けた私。
もちろん、電話での会話は英語です。
相手「(私の名は)ラボッです」
私 「(ラボッって名前ってことはないだろう。
聞き取れなかったんだ)
すみません。もう一度お願いします」
相手「ロボッです」
私 「(? ロボッ?ラボッ?
でも、もう一度聞くのは失礼だよな~)
すみませんが、綴りを教えていただけますか」
相手「エ~ァ、オ~、ブ~、イ~、エ~ァ」
私 「(え~?! 綴りも聞き取れない~!
困ったな~。でももう聞き返せない)
はい、わかりました。
では、上司宛のメモを残しておきます」
相手の名の綴りも聞き取れなかった私は、
上司宛にメモを残しておくこともできず、
しかたなく、上司の帰りを待って口頭で伝えることに。
ラボッ、ロボッ、など、聞こえた感じの
記憶を頼りに上司に伝えるものの、
「そんな人は知らない」と言う上司。
困って、焦りまくった私は、さらに
ラボッ、またはロボッに似た発声を続けて
なんとか上司に伝えようとしどろもどろ。
「ラボッ。ラビッ。ロボッ
‥‥もしかしたら、ラバッ?」
あげくに、焦って頭に血が上った
私の口から出てきたのは 「‥‥ラビット?」
すると、日本語を話せないはずの上司が、
いきなりたどたどしい日本語で
「う~さぎは、電話、しませんね~」と一言。
あとで聞いたところ、この電話の相手の名前は、
ラブル(LOVEL)だと判明!
(まるる) |
 |
両親の結婚式の時です。
新郎の父、つまり私のおじいちゃんは
花嫁の名前を間違え、しかもそれは 父の元カノの名だったとか。
母は20年以上たった今でも根にもっています。
(トモー) |
 |
あなたの「言いまつがい」を
私たちに送っていただくことによって
このページは運営されていくのです。
下の「投稿する」ボタンをクリックして、
ことのあらましをざっくばらんに書きつづり、
だいたい仕上がったところで
送信ボタンをカチリと押してみてください。
ええ、ええ、もう、お気軽に。 『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』は
全国の大手書店やネット書店などで好評発売中。
どうぞよろしくお願いしますー。 イラスト:しりあがり寿 |