あるところに、甲と乙があって、
甲がなにかを乙に言ったが、
乙は甲の言うことを違う意味にとった。
そこから乙は甲の思惑とは違う方向へと
何事かしゃべったのだが、どういう偶然か、
それはそれで意味が通ってしまった。
そしてしばらくやり取りは続き、
どこかの時点でふたりは「は?」となる。
これがいわゆる「かみ合わない会話」である。
そういったものを本日はたっぷりお届けしよう。
最後まで、どうぞ、のんびりと。 |
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バイト先の休憩室での話
先輩「今日、山手線止まってたね」
自分「え!? 山の温泉に泊まったんですか」
先輩「結構止まってたよ」
自分「へぇ~、でも、えらいですね~。
きちんとバイト来るなんて、
今日ぐらい休めばよかったのに」
先輩「いや、これぐらいじゃ休めないよ」
自分「旅行の次の日くらい
バイト入れなければいいのに」
先輩「えっ、旅行!?」
きちんと人の話聞かないから‥‥。
(早口で山の温泉) |
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夜遅くに、レンタルビデオを返しに行きました。
家に帰ると、兄がいきなり、 「彼氏できた?」
と訊いてきました。
は!? 夜遅くに一人で外出したから、
色気付いたと思われたのかな?
ビデオ返しに行ってただけなんだけど‥‥。
それよりもとりあえず返事をしなければ。
「できてないよ!」
「彼氏できてないの?」
「できてないよ! なんで?」
「お前行くって言ってたじゃん」
は‥‥?
よくよく聞いてみると、兄はずっと
「(ビデオ)返してきた?」と訊いていたようです。
あ、なんだぁ!
(返してきたよ!) |
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以前ある店で一緒に働いていた同僚に
久しぶりに会った時の事です。
店の奥さん(ミユキさん)の話になり、同僚から
「ミユキさんって
どんな字書くんだっけ?」
と聞かれ、私が 「小さくて、まぁるっこくて、
結構くせがあるかな」
と答えると、
同僚は「え???」と、きょとん。
私も「ん?」と、沈黙。
しばらくして同僚が言いました。
「あ、いや、その字じゃなくて‥‥」
彼女が聞きたいのはミユキさんの名前の漢字で、
私はミユキさんが
どんな字を書くかを語っていたのです。
ちょっと考えればわかるものを。
そんなこと聞いてどうするんだろう、
とは思ったんですけどね。
(正解は美由紀さん) |
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ずっと前、職場の気の合う友人が
学生時代の親友を紹介してくれました。
私 「仕事、何してるの?」
その人「キャスター」
私 「キャスター!!?
すごい。なんの?」
その人「なんのって‥‥これ」
「タバコ、何すってるの?」と聞こえたそうです。
(フリーターだった) |
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スーパーで働いていた時、おじさんが
「ひいたコーシーあっかい?(ある?)」
と聞いてきたので、コーヒーのコーナーに案内した。
「こちらになります」と、
挽いたコーヒーパックのコーナーを指差した。
おじさん「???」
私 「???」
おじさん「ひーたコーシーだっちば(だって)」
私 「この辺のコーヒーパックは
挽いたコーヒーですよ」
おじさん「ちげーって(違うって)、
ひーたコーシー。
わがんねーがな~(わからないかな)
ひーたコーシーだっちばぁ。
缶に入ってんのあっぺよ?(あるでしょ)」
通りかかった年配の仕事仲間に
「ひいた(ひーた)コーヒー」の事を聞いてみた。
彼女もわからなかったけど
おじさんが「ひーたコーシーあっぺ?
この子に聞いても
わがんねんだばよ(わからないんだよ)」
仕事仲間「あー! ひーたコーヒーね!
外の自動販売機で売ってますよ」と‥‥。
「ひーたコーシー」=「冷えたコーヒー」
恐るべし訛り‥‥。
(Yumi) |
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研究室の飲み会に珍しくスカートで行った時、
お座敷で立ち上がろうとした私に、前に座ってた人が
「(スカート)危ないよ」と注意しました。
スカートの中に短パンを履いてた私は、
安心させようと思い、勢いよく言いました。
「大丈夫です!
(短パン)履いてますから!」
「いつも(パンツ)履いてないの!?」と
場は騒然となりました‥‥。
(カズカズ) |
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