すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
ところが、その、燃える命ともいえる名前は、
しばしば他者によって
「おい、コラ、マジかよ」というくらい
たいへんあっさりと
「言いまつがわれて」しまうのです。
てなわけで「名前の言いまつがい」特集。
どうぞ、最後まで、お楽しみくださいませ。 |
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私の苗字は
小越とかいて「オゴシ」と読みます。
「コエツさん」や「オオゴシさん」と
間違えられるのはよくあることなんですけど、
先日、クリーニングへ行ったとき、
後から引き取り書を見てみると
「オヌシ様」になってました。
(拙者) |
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大学で授業をしています。
出席をとる時に大きな声で
「ちゃがわくん!」と呼びました。
本当は「芥川くん」でした。
(漢字が苦手の帰国子女) |
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僕の名前は「ひびき」というのですが、
給食のときにひじをついて食べていたら、
それを見た先生が少し大きな声で
「ひじき君!」と言った。
「ひびきとひじが混じってしまった」
と笑いながら言っていた。俺は海草かっ!
(恐いといわれる人) |
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数年前のお正月、
母の友人の米谷(まいや)さんの名前で
とっていた旅館に泊まりました。
入り口では「歓迎マイヤ様」となっていたので、
単に漢字がわからなかったのかなと思っていましたが、
朝食会場では「マイヤー様」と立て札のある、
日本庭園のいちばん眺めのよい席に案内されました。
明らかに生粋の日本人である私たち家族の風貌から
周囲の宿泊客は何を想像したのでしょうか。
(みやこ) |
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女子中学校に通っていた頃のこと。
私宛に「聡」さんから年賀状が来た。
「うちの末娘にオトコから年賀状が!」
と両親は大騒ぎ。
なんのことはない、
友達の「聡子」さんが 素で自分の名前の最後を
書き落としただけだった。
(シュウ) |
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私の苗字は「奥村」と言います。
先日、初めて向かった旅行先の
お土産屋さんでの会話です。
店員「どちらからいらっしゃったんですか」
私 「○○県です」
店員「そこからなら電車で?」
私 「いえ、車です」
店員「そうですか~。おくむらで?」
私 「!!」
店員さん、エスパーですか?
絶妙すぎる言いまつがいに、
笑うより戸惑ってしまい、
親切な店員さんに気まずい思いを
させてしまいました。
(ぶもりん) |
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看護師をしています。
受付の人が
「これ新患のカノンさんのカルテです」
と持ってきてくれた。
えっ? カノン? 外人?
どうしよ! 英語できない!
よく見ると「菅野」と書かれていました。
なんでそんな言いまつがいするかなぁ‥‥。
(カンノ) |
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電話で「菊地さん」の漢字の確認をした時に
「しょうちくばいの『菊』に、
地方の『地』」
と言って相手の人と確認しました。
電話のあと、友人に
「あれっ、松竹梅に菊入ってたっけ」
とつっこまれ、みんなに大笑いされました。
(ゴーゴーてっちゃん) |
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名前に関する「言いまつがい」でもOKですし、
名前と無関係の「言いまつがい」でもOKです。
覚えている「言いまつがい」があれば、
下の「投稿する」ボタンをクリックして、
ことのあらましを簡潔に書き表し、
できたところで送信ボタンを押してください。 『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』は
ほぼ日ストアでも購入可能です。
どうぞよろしくお願いしますー。 イラスト:しりあがり寿 |