あるとき、耳に飛び込んできた、
あまりにも意外な、ひとこと。
そんなバカな! ありえない!
私は思わず、自分の耳を疑った。
疑って、よかった。
だってそれは「聞きまつがい」だったのだ。
どうやら私たちの日常は、
「聞きまつがい」に満ちている。
そんなわけで「聞きまつがい」の特集です。
どうぞ、最後までお楽しみください。 |
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ある野外のコンサートイベントで、
遅れて席に着くと、
隣にいた小さな女の子の
「次は『お尻にカイロ』だって」
という声。
「お尻にカイロ????」
演奏が始まった曲は
『星に願いを』でした。
(小さな作詞家) |
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朝、登校して教室に入るなり
友達がいきなり
「森進一のCD、貸して!」
と言ってきたので、びっくりして、
「‥‥え、持ってないけど‥‥好きなん?」
と聞くと、きょとんとしている。
どうやら
「もう一日(いちんち)CD貸して」
と言っていたらしい。ああ、びっくりした。
(高校一年女子ですから) |
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「ねぇねぇ、
親の血液型って知ってるもん?」
「え? 親のケツの拭きかた?」
(茜) |
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駅のホームで電車を待っていたときのこと。
「シチュエーション以外での
喫煙はご遠慮下さい」と聞こえ、
どんなシチュエーションだと思っていたら
「喫煙所」の聞きまつがいでした。
(非喫煙者) |
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夫がキッチンから声をかけてきた。 「パンは吊るすんだっけ?」
一瞬固まる私。
いや、吊るさないでしょう‥‥。
どうしたものかと固まったままでいると、もう一声。
「アルミのやつ」
ああ、「缶はつぶすんだっけ?」か。
うん、そう。アルミ缶はつぶして出すんですよ。
(つるまご) |
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総武線に乗っておりました。
車内アナウンスが
「次は〜警視庁、警視庁」と。
自分の頭の中で
警視庁の庁舎を思い浮かべながら、
「総武線に『警視庁』はないだろう、
あれは『桜田門』だし〜」と。
聞きまつがいとわかりつつも、
何を聞きまつがったのかとしばし混乱。
あ、「錦糸町」ね‥‥似てるでしょ?
(千葉県民) |
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高校生の頃、朝バスに乗っていたら、
3歳くらいの男の子がお母さんに 「だいこん! だいこん!」
と、ずーーーっと訴えていました。
そんなに大根が食べたいのかな?
こんなに小さい子で、大根が好きって珍しいかもー。
その日、家に帰って、同じバスに乗っていた姉に、
「今朝、バスに小さい子が乗ってたよね」
と言うと、姉は
「あぁ。抱っこ、抱っこって言ってた子ね」と。
そっかー! 「抱っこ」ね。
(大根おろし) |
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昨日、友人とその赤ちゃんに会いました。
生後3日目に産院で会った以来の赤ちゃんは、
3ヶ月を迎えて
別人のように大きくなっていました。感激して、
「今度会うときはまた変わってるんだろうね」
と言うと、
「そう、やる気だしたら
変わっていくよ〜」
との友人の答え。
やる気の問題なのか? と思ったら、
「歩き出したら」の聞きまつがいでした。
(やる気はいつもあると叱られた) |
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ニュースを見ながら私が、
「リチャード・ギアって
仏教徒なんだって〜」と言うと、
夫が「カッパドキア?」と。
(カブのおかたん) |
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「聞きまつがい」「言いまつがい」
その他、どのような「まつがい」でも
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やってみると、意外に簡単でたのしいですよ?
それでは、また、明日ー。 イラスト:しりあがり寿 |