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休みってことで言えば、
睡眠時間はどうですか。 |
糸井 |
盗み寝はしてますし、
ぱたっと寝ちゃいますよ。
ぜんぜん大丈夫ですよ。 |
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糸井さんは自分のやりたいことを、
楽しいから疲れないみたいな
雰囲気があるんですが。 |
糸井 |
いやあ、普通に疲れますよ。
昔の人は血のしょんべんを出したとか
言ったじゃないですか。あれほんとですよ。
それで初めて必死になる。
答え出ないと生きていけなくなるんですよ。
そうなってから初めて
次にまた今度休むことを考えないと、
と思います。
脳って、ほとんど使われてないから
余力ありますもんね。
脳っていくらでも働きますから、
脳より先に
目が疲れたりしちゃうんですよね。 |
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すごく極限の話を
聞いてるような
気がするんですけど・・・。(笑)
休み方もクリエイティブだってことが
この本には書いてあるんですが。 |
糸井 |
それが自分では、まだできてないですね。
うちでよく、
仕事してるふりしながら
過ごしてる時間が長いよりは、
「俺ちょっと映画行ってくるわ」
って言ってもいいんだって言うんですけど、
なかなかみんなできないですよね。
映画に行くときに、
周りの人がああ、あいつは行くべきだって
思わせる説得力がないと。 |
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ええ。そうですね。 |
糸井 |
三島くんが会社の中で、
「ぼく今ちょっとこの映画、
どうしても見たいんで行ってきます」
っていった時に、
三島は行くべきだなって
周りが思えばいいわけですよね。
行くべきだって思われるために
作る何かって必要ですよね。
それが映画に行ける力ですね。 |
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どういう休み方が理想なんですか。 |
糸井 |
まだ、わかんないんですけど、
アメリカ人がまず考えたのが
まとめて休みとってますよね。
で、どっかリゾート地に行って
そこは電話も通じないみたいにして、
ぽかーんと1週間か10日休んで
さー働くぞうっていう。
ちょっと古いけど
「ザ・インターネット」っていう
映画があるんですよ。 |
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サンドラ・ブロックの。 |
糸井 |
そうそう。
あの映画が
アメリカ人が考えてる休み方でしょうね。
普段はファーストフードとかピザとか
ほうばりながら
パタパタパタ!ってキーボードうってて、
絶えず仕事に追いまくられてて、
あーこれでできたって言ってバック持って
ポーンとどっか行く、
そこで殺人事件に巻き込まれる、みたいな
そういう映画なんだけど、
あれが、たぶんひとつ、
とりあえずできてる休み方でしょうね。
でも、日本はあの体力ないんです。
ボディにあの力がないんです。
ケリ入れると相手倒せるんですよね、
サンドラ・ブロックは。
タイタニックの主人公の女の子でも
防火用の斧で鎖を立ちきる力が
あるんですよ。
あの力は日本人の男にはないんですよね。 |
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ないですね。(笑) |
糸井 |
ってことはまとめて休んでも、
あー疲れたって言うことになる。
で、どうするかっていうと、
休む前に何をするかっていうと、
アメリカ人のような体力をつけるって
いうのが先になるんですよ。
今俺が思ってるのはそれです。 |
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(笑)体力つけるのは重要ですよね。 |
糸井 |
つけるしかない。
楽しくやりたかったらつけるんでしょうね。
今それしか思いついてないですね。 |
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ヨーロッパ人は違うんでしょうか。 |
糸井 |
ヨーロッパ人は
違う休み方してるんでしょうね。
これは学ぶチャンスがまだないんで、
もっと知らなきゃだめだと思うんですが
ヨーロッパ人の場合は
幸福論から変えていかないとダメで、
例えば、老舗の帽子屋のおじさんが
一日100個売ってた帽子を
200個売ろうとは思わないでしょう。
100個でいいやっていう幸福観を
もってるわけですよね。
そっちは混ぜ込む必要があると思いますけど
それは休みっていう発想を
しなくてもいいでしょう。 |
三島 |
この本の中でも
生産があって、
消費がないのが今の日本で、
そのためには消費のクリエイティブを
っていうことを
おっしゃってるんですけども、
そういうヨーロッパ的な
帽子は100個でいいやって
いうことっていうのは
矛盾しないんでしょうか。 |
糸井 |
矛盾はしないでしょうね。
つまり帽子屋のおじさんが
100の関係を持ってて、
その100の関係の中に喜びがあったら、
200になったときには
もう処理できないでしょう。
処理できないってことを
無理やりやっちゃうと、
ダーリンコラムに書いた
「吐く」になりますね。
緊急事態になったらやるんでしょうけど、
それは間違ってますよね。
楽しくないですよね。 |
三島 |
その時点で
クリエイティブなんてものが
できないような。 |
糸井 |
できないでしょうね。
モノ対モノで、神学で『我と汝』っていう
ウーバって人の本があるんですけど、
汝であるものとそれであるものの違い、
みたいなものなんですよ。
一般的に大量のつながりっていうのは。
でも「あなた」になったら
意味が変わるんですね。
宗教の方では、けっこうたくさん
考えられてきたことですよね。 |
三島 |
糸井さんが消費をイメージされるときには
「あなた」っていうものを
意識されてますよね。 |
糸井 |
そうですね。意識は絶えずしてますよね。
でも、「あなた」の声が
全部一辺に返ってきたら
鼓膜が破れるんで、そういうところで
いちいち考えるんでしょうね。
ポップアートなんて
そこから発生したもんですよね。
ディズニーランドにしたって、
こういう風にしたら
「あなた」が喜ぶぞっていって、
全員の声聞いてたら大変ですよね。
でも、そうじゃなく思えるようにしたらって
考えるってことで、考えだとか仕組みだとか
どんどん作っていって
それはもう多大なコストがかかる。 |
三島 |
理想を言えば、
作る側もコストをかけながら、消費者の方も
それに対してクリエイティブに受けていく
っていうきっかけができれば・・・。 |
糸井 |
できれば一番いいんですね。
でも全部ができるはずないんですね。
疲れちゃってるんですよ、人って。
そんなことするの、もういいって。
受け身で言われた通りにするからさって
言ってるのも人間なんですね。
それは往復するでしょうね。
テレビ見てぼーっとしてる時の自分って、
もう疲れちゃってますよね。
それ用のものを作る人も
いてもいいと思うし。
くだらねーなって言いながら
喜んでるもんね。(笑)
よく食いもん屋に行くと
「まずうまい」って言うんだけどさ、
まずいんだけどうまいんだよ、っていう。
(笑)ああいうものもあるんだよ。
それだめって言うと、
ほんとにエリートだけが生き延びる社会に
なりますよ。その辺は難しいですよ。
だって実際に、
参議院選挙で地方遊説して
小泉さんが手振ると票あがるでしょう。
それが何なんだ、
関係ないって思う人はいるけれど、
やっぱり「あ、今こっち見たわよ」とか
言ってる人もいるわけで。
やった分だけ効果があるってことは、
大したこと考えてないんじゃないかなあ、
人って。
で、そこも考えてないと、
やりたいことをお互いにできないですよね。 |
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糸井さんて、
これもありだしあれもありっていう
お考えですよね。 |
糸井 |
そうですね。
だって決められませんよ。
これ無しね、なんて。
ありだと思ってる人はいるから。
人間完全なものじゃないですもんね。
趣味も違えば顔も違うし、
こういう奴がだめっていうのは
まずいですよね。
お互い、迷惑かけない国境みたいな場所が
いっぱいあるんですよ、今。
そこで平和条約を結んだり
ミサイルは打たないでって言ったり、
それぞれの考え方を
それぞれが考えていかないと
いけないですよね。
いちいち違う文化にぶつかったときに、
両方が納得するような方法を
考えないといけないわけなんで、
そんなのは無理ですよね。
俺自身が
俺の満足いく人間じゃないですもん。
しょーがねーなって言ってるくらいで
ちょうどいいんじゃないですか。
そんなことばっかりじゃないですか。
受け入れられないんですよね。それは。
一生こいつとは敵だと思ってるのは
無理だよね。
多少知ってみようかと思ったら
ますます嫌いになったとかね。(笑)
それはしょうがない。人生短いんだから。 |