ハブの棒使い。 やればできるか、晴耕雨読。 |
その1 最初ですから、ハブでも はじめまして、鳥飼といいます。 この3月に40歳になりました。 それで奄美大島に移住しました。 不惑ですから、迷わずに。 南の島で見聞き体験したことをお伝えしていきます。 最初ですから、ハブに出会った話でもしましょうか。 ハブは沖縄という印象があるかもしれませんが、 奄美大島にもいます。 それも沢山。かなり仰山。 だから、ハブとマングースの対決ショーもやってます。 空港のお土産屋ではハブ酒も売ってます。 奄美に限ったことではないですが、 おおかたの野生生物の行動時間帯は夜です。 観察するためには、こちらも夜行性にならねばなりません。 夜、林道を車で走って、奄美自然観察の森に行きました。 命名通り、さまざまな動植物を観察できるスポットです。 敷地内の池でアマミアオガエルが鳴いています。 池の中をライトで照らすと、シリケンイモリがいます。 池の端の石の上には、イボイモリもいます。 どいつも奄美や南西諸島の固有種です。 まっくらな森の中でひとり幸せに浸っている矢先、 あいつと目が合いました。 「ハブだ!」 池の水に半身沈めて、こちらの様子をうかがっています。 目が合ったと言っても、あいつの視力は壊滅的です。 それよりも鼻先でチロチロ動いている舌。 あれは舌なめずりしているのではなく、 臭いを感じ取っているのです。 どうもこちらの気配に気づいたらしく、 くぃーんと鎌首をもたげてきました。 あいつとの距離は約2メートル。緊張が走ります。 でも、よくよく見ると体長は1メートルもありません。 大物は2メートルを超えるハブの中では、小兵選手です。 なーんだ、胴回りだって水道の蛇口くらいじゃないか! 「ん、蛇口?」 と思った瞬間、恐怖は去りました。 さりとて長居をする気にはなれず、カエルやイモリに 未練を残しながらも、撮影せずにそそくさと帰りました。 以上がハブとのファーストコンタクトの顛末です。 ハブは本土のマムシと同じく、クサリヘビ科の毒蛇です。 血清の技術が進み、命を落とすことは少なくなったものの、 島で最も怖い生き物には違いありません。 奄美にはコブラ科のヒャンという毒蛇もいます。 猛毒ですが、口が小さいために咬まれることは稀です。 さらにハブより毒性の弱いヒメハブってやつもいます。 「奄美のヒメハブは食いついたら離さないので、 気をつけたほうがいいですよ。特に屋仁川では。」 島に来て早々、そんな注意を受けました。 何か妙な話です。 屋仁川とは、居酒屋やスナック、ラウンジなどが並ぶ 島の繁華街のこと。 …あ、そっちの「姫ハブ」ですか! こちらには残念ながらまだ遭遇しておりません。 |
2000-05-16-TUE
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