ハブの棒使い。 やればできるか、晴耕雨読。 |
その10 海面から眺める光景 北海道から先輩が遊びに来ました。 摩周湖と屈斜路湖の間の弟子屈町に3年前から移り住み、 アウトドア関連のフリーライターをしながら、 釧路川をカヌーでくだったりされているナイスな先輩です。 カヌー好きの先輩が来た以上覚悟を決めるしかありません。 一念発起でシーカヤックに初挑戦です。 奄美大島の南には加計呂麻島という島があり、 この2島の間の大島海峡はシーカヤックのメッカです。 毎年梅雨明けの頃、全国からシーカヤッカーがこの地に集い シーカヤックマラソンというイベントが催されます。 6月25日に行われた今年の大会を見に行ったのですが、 200艇以上が集結し、一斉にスタートする様子は壮観です。 それを見た後だったので素直に乗ってみたいと思いました。 乗ったのは安定感抜群のシットオントップ型のニ人艇。 経験豊富な先輩に後ろについてもらい、 ガイドさんの後を追って凪模様の海に漕ぎ出しました。 最初の数分は押し寄せかぶる波にあわてたり、 パドリングのペースがわからずあせったりでしたが、 しばらくするとすっかり慣れてきて…… 海のうえ、波に揺られるってこんなに気持ちいいんだ! それに海面すれすれからの視点は新しい発見だらけです。 すぐ前方の海面からアイゴの幼魚かなにか、 小魚の大群が飛び出してキラキラ銀色の弧を描きます。 その群れの後から、ダツが飛魚のように跳ねて追走です。 ダイバーに恐れられるダツも海面から見る限り安全安全。 むこうでキビナゴたちが海面をピチピチ賑わせています。 目ざとく見つけたベニアジサシやエリグロアジサシが 全速力で駆けつけ、キビナゴの群れに急降下攻撃です。 夏の海鳥アジサシを海面から見上げるのは臨場感満点。 海の水は青く透き通っていて海底のサンゴが見えます。 波に揺らいで形ははっきりしませんが、白に黄に緑に青。 潜って見るともっと綺麗でしょう。 案の定、スノーケリングを楽しむ人の姿が見えます。 休み休み漕ぎながら、無人の浜辺に上陸。 昼飯を食べて、一路海峡を渡る。 人力で渡り終えるとちょっと感激。 加計呂麻の浜ではあまりに暑いのでひと泳ぎ。 十分に休憩をとって、もう一度海峡を戻ってくる。 そんなこんなで約5時間、20kmのコースでした。 心地よい疲れと漕ぎ終わった達成感で心身ともに充実。 自宅までの帰路の車中もすっかり気分は高揚しっぱなし。 ところが、悲劇はその晩から始まりました。 炎天下、無防備に素肌をさらけ出した見返りは…… 日焼けの嵐!! 特に腿から足の甲までの焼け具合は壮絶で、 大の男がふたり、歩くたびに悲鳴をあげる情けない始末。 奄美の直射日光、くれぐれも軽んずべからず。 |
2000-07-17-MON
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