ハブの棒使い。 やればできるか、晴耕雨読。 |
その25 写真つきの半期総括 奄美大島に移住し、はや半年が経ちました。 ここで半年間の晴耕雨読生活を振り返ってみます。 「晴耕」については、相変わらず何も進んでいません。 わかったのは、真夏の晴れた日に畑を耕す人なんて 誰もいないってこと。 こちらは来春まで当分お預けです。 「雨読」のほうはまずまず進みました。 これは台風シーズンで閉じ込められることが多かったため。 7月の6号に始まり先週の19号まで、 8、10、12、15、14号が 奄美地方ないしは南西諸島にやってきました。 大きな台風だと外には出れないわ郵便や新聞も来ないわで、 いきおい読書に身が入ります。 前回(その8)同様、印象に残った本でも紹介しますか。 「絢爛たる殺人」芦辺拓編(光文社文庫) 昭和20年代から30年代初期までの 日本の埋もれた探偵小説が発掘されています。 なかでも白眉は、伝説のリレー小説「むかで横丁」。 これはわたしにとって、大学時代に話を聞いて 20年以上も渇望していた幻の小説なのです。感涙。 「ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件」(岩波書店) J.L.ボルヘス&A.ビオイ=カサーレス著 木村榮一訳 一応ミステリー仕立てですが、 どんな事件が起こっているのかからして よくわからないのに加え、真相が明かされても 辻褄が合っているのかどうかもわからない。 さすがボルヘス、さすが南米というべき怪作だといえます。 「ぼくらの昆虫記」盛口満著(講談社現代新書) 著者のカマゲッチョ先生は自由の森学園の理科教師。 昆虫に注ぐまなざしが優しく、 かつ気負っていないところがすてきです。 こんな先生に教われば、世に生き物好き人間が もっと増えるんだろうな。 「生命めぐる島・奄美 森と海と人と」 ホライゾン編集室編(南日本新聞社) 奄美の自然や生き物、さらに人の生活とのつながりなどを 写真中心に紹介した、わかりやすいガイドブックです。 ぶつ切りの情報の提供に終わるのではなく、 おのおのが広い視点から関連づけて説明されており、 知識が深まります。 さて、こんな連載にも多くの方から 励ましや共感のメールをいただきました。 ひとつひとつは取り上げませんが、 やっぱり読者の方がいてくれるってうれしいことです。 この場を借りて、お礼申し上げる次第です。 ありがとう、読者のみなさん。 そういえば会社員のときにも、お客さん第一ってことを いやというほど教え込まれたものです。 そんなことを考えていると、ある後輩からこんな指摘が… ――やっぱり、体験に基づかない記憶って 定着しないんですねー。(…中略…) 「ハブ棒」では、やっぱり読み物で 終わってしまうんですよ。なんというか 自分の事として感動できない。 …そうだよなあ、見たこともない生き物なんて、 わたしの文章だけではさっぱりわかんないだろうなと反省。 反省して次に活かすのが総括の総括たる所以ですから、 さっそく改めます。 ということで、次回から極力画像つきでお送りしますね。 今回はおまけ。 過去に登場した生物のうち、3つの写真を添付します。 素人のデジカメやデジタルビデオの画像故、 お見苦しい点はご容赦を。 その3に登場した、いとしいアマミノクロウサギ その9の同居人、きまぐれなオンナダケヤモリ その20で紹介した、不器用な鳥アマミヤマシギ |
2000-11-04-SAT
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