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ハブの棒使い。
やればできるか、晴耕雨読。

その59 奄美島唄の逆襲

名瀬市の商店街に横断幕がかかりました。
ちょっと見てください。



「ワダツミの木」でブレイクした奄美出身の歌姫、
元ちとせへの地元からのお祝いのメッセージなのです。
それにしても、盛りだくさんの内容です。

なにしろ、
「奄美初 オリコン全国第1位」
なのです。
「奄美初」はなくても十分な快挙なのですが、
あえて奄美といいたいのです。
それが地元というものです。

続いて、
「おめでとうございます」
「祝 元ちとせ」
「バンザイ」
ときました。
これらは祝辞ですが、最初は冷静に「おめでとうございます」
と書いたものの、なんか物足りずに「祝」を重ね、
それでも余白があったので「バンザイ」を付け加えた感じ。
感きわまったようすが手にとるように伝わります。

感きわまったあげく、
「共にがんばろう!!」
です。
「元ちとせちゃんもあんなにがんばってんだから、
われわれもがんばろうじゃないか、なあ、みんな」
という熱い気持ちが噴き出しています。
おかげで、文章は、
「祝 元ちとせ と共にがんばろう!!」
と、ねじれてしまっていますが、そんなこと関係ないんです。

そして、しめは
「目指せ! NHK紅白歌合戦」
これでこそ正しい日本人歌手の目標というわけです。
いいなあ、べたべたで。

なにはともあれ、元ちとせの人気はご当地では絶大です。
島唄といえば沖縄にお株を奪われていた奄美の、
遅ればせながらの逆襲といったおもむきでしょうか。
陽の沖縄に対して、陰の奄美。
音階から、サンシンの音から、歌い方から全然違います。
「ワダツミの木」で聞かれるとんでもない裏声の高音こそ、
奄美島唄の歌唱法の独特なところ。
男も女も奄美島唄の唄者は裏声を多用して切々と歌います。
その哀しげな歌声は悲恋の歌詞をつづるのに最適。
男と女のかけあいで、島唄はめんめんと歌われてきました。
地元には10代、20代の若手の元気な唄者がたくさんいて、
伝統を受け継ぎながらも、新しい挑戦を続けています。
第2、第3の元ちとせはすでにスタンバイOKなのです。

ひとりの女性歌手の出現で、島全体が活気づいてきました。
この盛り上がりはいったい何なのでしょう。
奄美大島に移住して丸2年のわたしですら、
「よし、共にがんばろう!」と決意を新たにするのでした。



ところで少し宣伝をさせてください。
3月に新刊が2冊出ました。

1冊は角川書店から出た『非在』。
思わせぶりなタイトルですが、難しい本ではありません。
生き物がたくさん出てくる孤島物のミステリーです。

出版社名:角川書店
発売日:2002年03月08日
定価:本体1600円(税別)
ISBN:4-04-873367-2-C0093

もう1冊は世界文化社から刊行された『昆虫探偵』。
こちらはタイトルそのまんまの昆虫ミステリー。
昆虫界で起こる事件を昆虫の探偵が昆虫の論理で解決します。


出版社名:世界文化社
発行年月:2002年03月
定価:1,400円 (税抜)
ISBN:4-418-02503-0

   

2002-05-08-WED

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