糸井 |
あれ、本人、イヤだろうね。
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柳瀬 |
(笑)そう思うんですよ。
そういうときは、なんか、
話が500分の1ぐらいしかわかんなくても、
「先生、お久しぶりでーす!」っていうほうが。 |
糸井 |
話がわかるなんて、どうでもいいんだよ。
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柳瀬 |
(笑) |
糸井 |
ただ、モテようとしてるのが
顔に出るじゃないですか。
あれ、なんでなんだろう?
なんか、そういう
ミエミエの姿って、学生のときに
ちゃんとモテていなかったような
感じがあるんですよね。 |
柳瀬 |
50歳や60歳でモテたい光線が強い人って、
結局、若いときに
デコボコやってないからなんでしょうか。 |
糸井 |
きっと、モテやすいところで
モテるクセをつけ過ぎたんですよ。
通用しない世界を、持ち過ぎてるんです。 |
柳瀬 |
(笑) |
糸井 |
銀座のクラブでモテる人が、
麹町のOLと知り合ったときにどうするかは、
もう、マニュアルがぜんぜん違っちゃうんですよ。
それなのに、
「ぜんぶ、イケるんじゃないか?」
という欲望を持ちはじめるのが男子で。
でも、クラスで成績がいちばんとか
学年でいちばんって、
小学校の数だけあるんだから、
どこかでいちばんになったって
仕方がないですよね。
モテにしても、同じようなもんですよ。
ほんとうは、雨戸を閉めてね、
カアちゃんに手招きをする百姓の暮らし、
みたいなものが、理想の男女だと思うんですよ。
おもしろくもないような顔をしてね。
で、ウッ、と言って。 |
柳瀬 |
(笑) |
糸井 |
電気をもう1回つけて、
「明日は雨だなぁ」って寝るんですよ。 |
柳瀬 |
なるほど。 |