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今回のインタビュアー
田中宏和さん |
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(※ひきつづき田中宏和さんがインタビュアーです!)
田中 |
では、そろそろ、広告の話にいきます。
最初にうかがった話に戻ると、
「広告を作るのが、むずかしくなっている」
と糸井さんは、考えていらっしゃるんですよね。 |
糸井 |
はい。
いま、いちばん疑ってるのは、
テレビコマーシャルです。
職人として広告を作る側としてではなくて、
企業を運営してゆく視点から見ると、
テレビコマーシャルって、
あんなにお金を使っても、
「あるイメージに出会う頻度を高める」
というだけなんですよね、せいぜい。
そこに、信頼はないんです。
コマーシャルの結果とは、
高められた頻度のぶん、その情報が、
それぞれ「すでに信じている人」だとか、
「熱狂的なファン」に行き渡るということで。
だから、「すでに信じている」とか、
「熱狂的なファンがいる」という状態がないと、
コマーシャルをやること自体が、
意味がなくなる。
しかも、熱狂的なファンは、商品にとって、
迷惑な人に転じるときだってあります。
熱狂的に応援しすぎる人は、
昔の歌番組で、野太い声で、
「聖子ちゃーん!」と叫んでた
応援団たちになっちゃう可能性があるから。 |
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