がんばれ自炊くん!
「ふだん食」はじぶんで作るって、どう?

キャベツ1玉から生まれたもの
~キャベツを使ったパスタソース最終回~


昨日は詳しく聞かなかったが、
鼠穴のキャベツは結局どう食したのじゃ?
おーい、シェフ。
「えーと、ざく切りにして、海水くらいの濃度の熱湯で
 さっとゆがいてブロッコリ、アスパラといっしょに
 温野菜サラダにしました。ドレッシングは、バルサミコ、
 オリーブオイル、こしょう、コリアンダーでーす」

お、なかなかシンプルでよろしい。
「で、どうせだからみんなで食べようって、ゴハン炊いて、
 近くの肉屋で特売の神戸牛の肩肉切り落としを買ってきて
 それをしょうゆとにんにくで炒めたのをおかずにして。
 わかめと豆腐とごまのスープも作りました。
 うまかったですよ~!
 セイヒロ~なんてゴハン4杯おかわりしてましたよ」

う、うまそうじゃなぁ……。
「あ、あと、デザートはいただいた桃とぶどうでした。
 もう、これでもかっていうくらい
 どっさりたっぷりあって、みんなジューシーで、
 ぽとぽとぽとっ、ってシルがこぼれるほどでした~。
 おいしくておいしくて……あーしあわせ」

桃! それはうっとりじゃ…………ぽと。(よだれ)
な、な、なぜわしを呼ばんのじゃー!
「だって自分でつくるって言ったじゃないですか。
 こないだキャベツもあげたでしょ、
 だからいいかなと思って」

そりゃそうじゃが、わしは、御相伴にあずかるのも、
大好きなのじゃ~~! しくしく。今度は呼ぶように。

  

コホン。
さて。
しばらく続いたキャベツ編も、今回が最終回じゃ。
キャベツだけでこんなにたくさんのレシピが寄せられるとは、
わしも、正直なところ、思わなんだ。素晴しい!
キャベツ1玉から、いろんなレシピが生まれたのう。
自炊人の数だけレシピあり、じゃな。
料理には正解があるかもしれんが
自炊には正解がない。
気楽に、楽しく、手間をかけたりかけなかったりしながら
自分の食うぶんを自分でつくれば、それでよいのじゃから。
自分の手から、思いがけず旨いものが生まれた喜びは
なにものにもかえがたいでな!

というわけでキャベツのパスタ、まずは2つ続けて、じゃ。

●地元のスパゲティやさんのをパクったのですが、
 キャベツに、バジルとニンニクをきかせたスパゲティは
 なかなかいけます。
 大きい鍋でパスタを茹でます。
 で、もうそろそろ、の手前でざく切りキャベツを鍋に投入。
 フライパンにオリーブオイルを入れ、
 弱火でニンニクを炒めたなかに、
 鍋の中身をざざっと入れて、
 塩とこしょうで味付け。
 乾燥バジルを好きなだけかけます。(岡本 千賀子)

●キャベツのパスタソースということで
 いつも適当に作っているキャベツパスタのレシピを一つ。
 キャベツを適当な大きさ(私は3センチ四方位のサイズ)
 にしてガンガンと熱した油にさっと通して
 塩を軽く振り掛けておき
 あらかじめ茹でておいたパスタに絡めます。
 このときに好みによって鷹の爪とかにんにくなんかを
 一緒に和えるとさらにグーです!
 基本的には塩味だけです。
 でも結構さっぱりといただけますよ。(菜花)


乾燥バジルの偉大さについては
わしもかねがね思うところがあった。
あれは、かけるだけでイタ~リアンな一品になるからの。
バタとも合うしな。
大手スーパーに行くと、乾燥だけでなく生のバジルもあるし、
輸入食材が充実しているところなら
生のバジルをペーストにした“ペスト・ジェノヴェーゼ”
なんてのも、売られておる。
あれも、旨いぞ。ぜひお試しあれ、じゃ!

菜花殿の「高熱の油にさっとくぐらせる」というのは
中華料理的な手法じゃな。
たかのつめとにんにくも、同じようにしておくと
油に香り・辛みがうつってよいじゃろう。
(焦げやすいので注意じゃぞ!)

  

次は、トマトとキャベツじゃ。

●こんにちは。
 キャベツを使ったパスタソースです。
 深めの鍋にたっぷりのオリーブオイルで
 たっぷりのにんにくを香りがでるまでいため、
 ホールトマトと酒、ざく切りにしたキャベツを加え、
 軽く塩胡椒して蓋をして煮ます。
 (本当はベーコンを加えたほうがうまいけど、
  できるだけキャベツだけということなので
  にんにくとオイルをたっぷり使ってこくをだします)
 キャベツのかさが半分くらいになって、
 スープがひたひたになるくらいでたら、
 最後に生クリームを加えて
 塩胡椒で味を整えて少し煮て
 パスタと和えて完成。
 クリームをいれないと麺との絡みが悪いので使ったけど、
 あえてシンプルにこだわるならなくてもいいとおもいます。
 その場合は最後にオイルをかけたほうが
 いいかもしれません。
 ポイントは水を一切つかわないことです。
 キャベツ1個ホールトマト1缶で4人前くらい。
 一度にたっぷりつくらないとスープが出ないとおもいます。
 ソースとしては汁っぽいので、
 あまり味を濃くしないでたっぷりキャベツを味わうのが
 おいしいです。(ジェイ)


煮込むときの酒は辛口の白ワインがよいじゃろうな。
塩味を控えめにすれば、肉料理のつけあわせにも
なりそうじゃ。
ひょっとして冷製も、旨いのではないじゃろうか?

  

次は長文レシピじゃ。一見作るのがたいへんそうじゃが
“手抜きバージョン”も書かれておるでの、
参考になされよ!

●キャベツやカリフラワーは牛乳系とよく合って、
 ホワイトソースを使ったグラタンに仕立ててもぐーです。
 ついでに言えば、ほうれんそうも同じく
 ホワイトソースによく合います。
 で、あえて牛乳系に挑戦。
 パスタは確かに平麺の方がおいしそうですが
 普通のスパゲティでもいいでしょう。
 キャベツさえおいしければ「加えるものは最小限に」
 してもたいがいおいしくなると思うんですけど、
 いまどきの野菜は味が薄いというか
 うまみが足りないというか……。
 ちかごろ出回っているキャベツは生食(サラダ)用が
 主流なので煮込み料理をしてもあんまりおいしくならない。
 しかも夏キャベツときた日には
 やっぱり何かしら味を補ってやらないと
 おいしくなりにくいんじゃないかな。

 キャベツのグラタンの手法を応用してみましょう。
 ホワイトソースの方に味を加えるんです。
 1.キャベツは塩を少し入れた熱湯で軽くゆがいて
   引きあげ、
   せん切りにして水気を軽くしぼっておく。
   ※パスタをゆでるためのお湯を先に
    キャベツゆでに使っちゃいましょう。
    パスタをゆでる時には塩を足すことにして。
 2.たまねぎ・セロリのみじん切り(これが味のモト)を
   バターで気長に炒める。焦げないように中~弱火で。
 3.(A)ホワイトソースを作る根性がある場合。
   2に小麦粉をふり入れ(量はどのくらい? 適宜、
   じゃだめかな。こってりソースが好きなら多め、
   さらっとソースが好きなら少なめ。)
   またまた焦げないように気をつけながら炒める。
   バターが足りなそうなら足す。
   小麦粉が全体になじんだら、スープの素をお湯少し
   (キャベツゆで湯でよい)で溶いたものを入れて混ぜ、
   さらに牛乳を少しずつ加えながら混ぜていって
   野菜入りホワイトソースに仕立てる。
   ※ホワイトソースの牛乳は温めてから混ぜていくと
    いうのは冷たいのを一気に混ぜると
    ダマができるからですが、
    ここでは先にスープが入るし、
    少しずつ混ぜてやれば大抵はだいじょぶ。
    電子レンジがあるなら軽く温めてやればよい。
  (B)そんな面倒はいやだわ、の場合。
   2にスープを入れ、缶詰やレトルトの
   ホワイトソースを混ぜる。
 4.ソースの味を見て、塩こしょうで調節。
   白ワインを少し入れてもいい。
   ※好みでチーズを加えてもいいけど
    「キャベツ味」を尊重するならやめとこかな。
 5.ソースがだいたいできてからパスタをゆではじめる。
 6.その間にホワイトソースに1のキャベツを混ぜて
   弱火で温めつつなじませる。
   (生クリームを加えればリッチなソースになります)
 7.ゆであがったパスタの水をよく切って、
   6に混ぜ込んで、お皿に盛る。

 ※(3-Bコースでも面倒と思う人のための特別レシピ)
  2の炒めるところを省略します。代わりに、
  牛乳少しにたまねぎ・セロリのみじん切りを投入して
  しばらく煮る。煮立てないように。
  (みじん切りが面倒ならせん切りでも可)
  そこへ出来合いのホワイトソースを混ぜて、
  4以下は同じ。(mezzo piano)


缶詰めやレトルトを上手に組み合わせるというところが
「やってみようか」という気にさせるのう!
わしも、じつは、ホワイトソースは苦手で
外食したときくらいしか食わんのじゃが
これはやってみようと思ったぞ。

さ~て。これにてキャベツ編は終了じゃが、
明日からは、
また、自炊人達に智恵をしぼってほしい
ある議題を用意してある。
じつはわしがこの週末からバカ~ンスでの、
東京を留守にするのじゃ。
その間に、皆に考えてほしいことを、
残していこうと思っての。
ふおっふおっふおっふおっ。
明日を待たれよ!

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みなさんのレシピ、募集しています。
メールでjisui@1101.comまでお送りくださいね。

もちろん、この議題以外のレシピや
自炊に関することがらの
いろんなおたよりもお待ちしていますよ!
(感想も、よろしくね!)

ワシじゃ。メール待っとるぞ。

2000-08-03-THU

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