ぼーっとしたミーハー通信。
なんだか一生、こうなのかしら。

<『イイ女』になった日>

ヘイヘイ、元気ですかーーー!
ヘイヘイおおきに毎度ありですかー!

さて、1月8日という日は毎年当たり前に、
何の変哲もなく来るわけですが、
その日は、うちらの中では
「イチかバチかの日」と呼ばれていて、
「イチかバチかなことをする」っていう
ちょっと特別な日なのよ。
まあただの、語呂合わせなんだけどね。
「1(イチ)」、「8(バチ)」だから、
「イチかバチか」ってことで。

この日は毎年、
うちら「なるたけ★ビッキーズ」と、
その周辺のメンバーで、参加出来る人を集めて、
みんなで「イチかバチか」何をするのか決めて、
実行するのさ。
おととしの「イチかバチかの日」は、
4人でまったく同じ格好をして、
地獄谷温泉で野生のお猿と一緒に温泉に入る!
っていうのをやり、
去年はなぜか「イチかバチか」、
おもしろいかおもしろくないか、
わからないDVDを買いあさる。
っていうのを少人数でやったり。
まあ毎年、みんなで色々なことをしてるのよ。

で、今年ですよ。

いつもは3人がアメリカ、3人が日本という
バラバラの生活をしてる、
うちらビッキーズが今年は、
成人式(もう4年前の出来事だ!)以来に、
全員日本に集合する。
という、自分たちにとっての大イベントだったのよ。
年に何回か、みんな帰ってくるけど、
日程がかぶることが全然なくて、
ほんと久々だから、みなで大喜びだったの。
そんな、大喜びな今年にふさわしい、
「イチかバチか」なこととは、なんだ!
1月8日の前夜から、お泊まり会で会議をして、
まず浮かび上がったキーワードは
「体を動かす」「どこかへ行く」「アート?」。
もう眠いし、全然話が進まなくて、
途中、考えることを止めて、
卒業アルバム見始めちゃったりして、
休憩&色々な思い出話、そして大爆笑。
ひとしきり笑って、
逆に超ヘトヘトになる一同。
で、ふいに、誰かが口を開いた。
「ねぇ。『イイ女』になりたくない?」
「なりたい!!!!」

コレだ!

「じゃあ明日は一日、『イイ女』として過ごす。だ!」

まずは、うちらの中にある『イイ女』とは
どんな人かを、討論してみたの。
「まずー、『イイ女』は見た目はもちろんだけど、
 頭いいよね」
「いい!」
「お酒とか強いのかね、『イイ女』は」
「結構強そうだけど、まあまあだよね」
「『イイ女』ってさ、ガハガハ笑ったりしないよね。
 クスッくらいで、わりとクールだね」
「そうそう」
もうこの時点で、今考えてみると、
何を知って『イイ女論』を語ってるのかが、
まったく不明よ。
でも、うちらの中にある想像の『イイ女』像は
どんどん続くの。

「『イイ女』はさ、恋人いるかね?」
「いるでしょー」
「でも、モテないんだよね、実は」
「みんな、敬遠しちゃうんだよね。『イイ女』だから」
「そう!で、不器用なんだよね、実は。
 そこがまたかわいいところだね」
なんだそれ!って言いたい!!
今、つっこみ役として、言いたい!

「じゃあ、例えば誰?」
「この間の、
 『古畑任三郎』の松嶋菜々子は超『イイ女』だったよ」
「凛としてて、スマートな感じだよね」
「でもあれはむずいね」
「やっぱさ、『イイ女』って、
 革のミニスカートとか、はいてない?」
「はいてる!」
「革のミニスカートに、網タイツで、ヒールだよね」
「そうそう。で、真っ赤なルージュでしょ」
どんどん時代が古くなってっちゃって、
結局うちらの目指す『イイ女』は、
映画の『ワイルド・アット・ハート』の中に出てくる、
ルーラっていう女の子になっちゃったのよ。
高い位置でポニーテールをして、
革のミニスカートに、網タイツにハイヒール、
肩が出てる原色のセーターを着る。
みたいな、80年代ファッションに身を包み、
唇には真っ赤なルージュを引き、ガムを噛む。
という、いかにも80年代の映画に出てくる
『イイ女』を目指すことになったのよ。

次の日、起きて、まず当日参加のみかんちゃんに、
「今日は『イイ女』になるから、
 革のスカートとか、ハイヒールたくさん持って来て!」
と頼んだら、もうどんぴしゃの時代遅れのアイテムを
山ほど持って来てくれた!
「これ、着てんの??」
「全然。お母さんが昔着てたやつとかで、
 ずっと押し入れに入ってたやつを、
 引っ張りだしてきた!」
超ナイス、みかん!!!
一歩ずつ、着実に、
オレらの『イイ女』に近づいている!
という実感と共に、興奮気味に、
みかんちゃんのアイテムを、
それぞれ合わせてみる。
「うわ!もう、『イイ女』だわ!」

ハイヒールとスカートを選んだ後、
みんなで上に着る服を、買いに行くことにしたの。
安さ爆発を目指して、店探しよ。
ギャル服の安いお店に行けば、
どうにかいけるんじゃないか!と考えて
とあるお店に入ってみることに!!!
セクシーダンサーの衣装みたいな、
スケスケレースのセーターみたいな服とか、
着方のわからないような、
もはや「服」とは呼べないような、
セクシー服を売ってる超ギャルなお店に、
全然違う種類のうちらが入って、
かなり違和感ありあり。
そして、ちょっぴりドキドキ。
だけど、その売ってる服を
自分たちが着ると思って見ると、超うけてさ。
ちびっちゃうくらいに、店内で超笑っちゃったよ。
隣にはお客さんで、ドラッグクイーンさんがいるし、
ここはどこ?状態よ。
まず、
それらの服は、いつものうちらなら
「絶対に着ない度」が高すぎて、
絶対に似合わない!似合う自信がない!
っていうことが、目に見えてわかるのと、
その服の下には
革のミニスカートで、網タイツで、
ハイヒールで、真っ赤なルージュで。
って、頭の中で『イイ女』パックにした時に、
こんなに今風のナウい服なのに、
着方によっては、
一気に時代が古くなるという現象を発見して、
驚愕ですよ。おっどろき。
そこでみんな、ひとしきり笑い、
自分が着る、似合わない服を購入して、
網タイツもひとり一足買って、
安いピアスを買って、
いざ生まれ変わり!!!着替えタイム!
・・・
・・・・・・
・・・古っ!
やっばり古い!
しかも全員で並ぶと、全員の足が網タイツだし、
唇真っ赤だし、すごい気持ち悪い集団になっちゃった!?
でも、みんな口々に、
「うわーあんた『イイ女』ぁ〜」
「『イイ女』だわぁ〜」
って褒めちぎり合ってたよ。
褒めずにはいられないのだ!

そして車のカーステレオから、
シンディ・ローパーやら、マドンナやら、
古めの曲を流し、気持ちもたかぶらせて、
ますます『イイ女』に見えてきちゃったよ。
『イイ女』の格好に合わせて、
「あたいは、ちょっとトイレに行ってくるさ」
「あたいは、コーヒーいただこうかな」
とか、言葉までもが確実に、
決して『イイ女』ではなくて、
何者なのか、方向性もわからない人に
なってきちゃってさー。
でも自分たちはすごい、ご満悦に、
相変わらず互いを
「『イイ女』だ」と言い合ってんの。

そんな『イイ女』っぷりに、
周りの人もおどろいたのか、
代官山でお茶をしていたら、通りかかった人が、
「え?芸能人??」
って、わたしたちの『イイ女』オーラに、
おののいていたわ!おっほっほ。
前の「イチかバチかの日」の時も、
「え?何?テレビ??TBS?」
「岡村?」
とまで言われちゃったからね。
それだけ、うちらの『イイ女』っぷりが、
街のみなさんの目に止まった。
ってことが、
あたいたちにとって、うれしいことなのさ。

夜は六本木に行き、ディスコでも行って、
踊ろうと思ってたんだけど、よさそうな店がなくて、
「『イイ女』って、ビリヤードとか、ダーツするよね!」
「する!超する!」
って、お調子者に決めて、
さんざん、『イイ女』やってやりましたよ。
ほんと『イイ女』。
ダーツとか、ビリヤードもその気になってやると、
ものすごく『イイ女』になれちゃうんだよ。
身なりを『イイ女』にすると、中から出てくるものも、
それに伴ってくるってことですよ。
ただし、ひたすら、「古い」んだけどね・・・。

そうこうしているうちに、夜も更けて、
いよいよ『イイ女』との
お別れの時間がやってまいりました。
「普通の女の子に戻ります」
いっせいに『イイ女』服を脱いだら、
みんなすっかり、げっそりしちゃっていましたよ。
最後にぽろっとエンマちゃんが
せつなそうに、床を見つめて言った言葉は、
「やっぱり、うちらは『イイ女』にはなれないんだね」
せつなっ!
すっごく最高に楽しかったんだけど、
やっぱりうちらは、『イイ女』にはなれないし、
『イイ女』ってものを、全然わかっていない。
ということで、まとまりましたよ。
だってさ、本当の『イイ女』は、
あんなこと、しないものね・・・。
てゆーか、てゆーか、「イチかバチか」とか
関係なく、『イイ女』も関係なく、
ただ、ルーラに仮装して遊ぶ会。になってた。

とにかく、考えれば考えるほど、
『イイ女』ってものが、わからない!!!
雑誌のananとか読めば、わかるかな??
しかも『イイ女』の定義って、
きっと女子の考えるものと、
男子の考えるもの、全然違うんだろうしね。
はぁ、『イイ女』への道は厳しいなり・・・。


どう?あたいたち、『イイ女』かい?

ゆーないとさんへの激励や感想などは、
表題に「ゆーないとさん」と書いて、

postman@1101.comに送ろう。

2006-01-16-MON

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