糸井 |
いやあ、順番に聞いてるだけで
おもしろくてしょうがないんですけど。
中日で、選手に復帰して、
翌年から、ずいぶん出ましたよね。
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川相 |
そうですね。
50~60試合、出たんじゃないですか。
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赤坂 |
中日1年目で80試合。
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糸井 |
ああ、80試合ですか。
覚えてますもんね、やっぱり。
「あ、川相出た。うー、やりづれえ!」
っていう気持ちとして。
いまはもう、看板選手の移籍が
わりとふつうになっちゃった時代だから
よくわかんなくなってると思うんですけど、
あのころは、やっぱり違和感があったなぁ。
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赤坂 |
時間がかかりましたよね、見慣れるのに。
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糸井 |
選手としては、そのあたりはどうなんですか。
ユニフォームが変わると、
こう、スッと、こころっていうのは
変わるものなんですか。
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川相 |
うーん、ま、
変わるようにするということですね。
比較的早く気持ちは切り替わりましたけど。
ゲームになったら、
もう、振り返ってられないんで。
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糸井 |
そうですよね、
じゃなきゃ試合になんないですもんね。
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川相 |
そうですね。
とくに移籍してすぐの年は、
絶対、ドラゴンズを優勝させてやるって
ぼくは思ってましたんで。
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赤坂 |
事実、優勝しました。
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川相 |
いや、べつにぼくが
優勝させたわけじゃないですけど(笑)。
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糸井 |
そういう意志は強く持ってたんですね。
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川相 |
持ってました。
負けてたまるもんか、って、
ずっと思ってたんで。
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糸井 |
ジャイアンツ戦は、とくに意識しましたか。
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川相 |
試合になればどのチームも同じですけど、
それ以外のところでは、意識しましたね。
たとえば、巨人とやるときは、
もちろん最低限のあいさつはしますけど、
それ以外は、極力自分からは
歩み寄って行かないように心がけてました。
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糸井 |
ああー、そうなんですね。
そのあたりは、ファンからすると
ちょっと不思議なんですよ。
どういう気持ちなんだろうな、って。
なんだか、お互いが、過剰に意識して
厳しくしているようにも見えるし。
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川相 |
まぁ、そうですね。
ただ、最近は、すごくチームを超えて
選手どうしの交流がはげしいっていうか、
いま、みんなけっこう仲いいんですよ、正直。
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糸井 |
なるほど、なるほど。
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川相 |
古いタイプの自分からすると、
そこまでしなくても、
っていうくらい仲がいいんで。
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糸井 |
ひとつ大きいのは、
WBCの存在でしょうね。
あれで、チームジャパンとして、
1チームになっちゃったじゃないですか。
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川相 |
そうですね、それもあります。
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糸井 |
川崎とダルビッシュなんて、
完全に友だちですからね。
そんなふたりが、試合になると
抑えたり、打たれたりしてる。
川相さんの時代は
ああいうのはなかったですよね。
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川相 |
ほとんどなかったですね。
とくにドラゴンズは
星野さんの時代なんかだと、
巨人の選手と口きくな、って
言われてたくらいですから。
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糸井 |
あー、わかる、その感じ。
中日戦は雰囲気違うなぁっていうのは
ファンにも伝わるんですよね。
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川相 |
それはもう、チームの方針ですけどね。
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糸井 |
つまり、ケンカだぞっていうことですよね。
ケンカする相手としゃべると
やりにくくなるぞっていう。
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川相 |
そうです、そうです。
ピッチャーと野手が
日頃から仲よくしゃべってて、
実際に対戦するときに、
「おまえ、インコースの
きびしいボール投げられるか?」っていう、
そういうことだと思います。
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糸井 |
それはそれで、わかりますよね。
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川相 |
ええ、わかります。
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糸井 |
というか、むしろ、
川相さんのなかにその成分は
かなりありますよね。
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川相 |
あります、あります(笑)。
ぼくはどっちかというとそっちなんです。
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糸井 |
そうですよね。
そういう意味ではジャイアンツには
めずらしいタイプの人だったから。
こう、選手がもみ合うシーンなんかで、
「また川相が飛び出してったぞ」みたいなのは
ファンからすると、ちょっとした名物だったり。
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赤坂 |
じゃ、こちらの一面を出しましょう。
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川相 |
また(笑)。
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糸井 |
あなた、しゃべりの内容を
だいたい想像しながらきたね(笑)。
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赤坂 |
こっちから乗っかってるのが川相さんで、
ジャンピングニーしてるのが仁志です。
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糸井 |
真ん中でひどい目に遭ってるのは?
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川相 |
これ、阪神の大熊さんでしょ。
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赤坂 |
そうそう。
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川相 |
この写真だと、仁志のほうがひどいでしょ。
ところが、当時掲載された写真のなかに、
ぼくの後ろから撮ってる写真があって、
それだと、仁志が写ってないんですよ。
ぼくだけが大熊さんに
乗っかってるように見えちゃう。
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一同 |
(笑)
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川相 |
仁志の、横から来た
見事なキックが写ってないんですよ。
で、当時、ぼくだけ非難されたりした。
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糸井 |
でも、ま、川相って、
そういう人でしたよ(笑)。
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赤坂 |
実際、川相選手単独の
見事なヒップアタックがあったでしょう。
ヤクルト戦かなんかで(笑)。
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川相 |
はいはいはい、そうですね(笑)。
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糸井 |
そういえば、最近は乱闘がないですね。
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赤坂 |
そうなんですよ。
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川相 |
少ないですね、いま。
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赤坂 |
それはやっぱり、
選手どうしが仲よくなったことと
無縁ではないと思いますよ。
やっぱり、ふだん飲みに行ったりしてる相手に
「このやろう!」とはならないですよね。
だからって仲よくすることが
一概に悪いっていうわけじゃないですけど、
仲のいい選手の胸元にびゅっと放って
のけぞったほうが「この!」って
にらみつけるようなことは、
あんまりないんじゃないかな。
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糸井 |
ああ、なるほどね。
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赤坂 |
個人的には、そういう厳しいやり取りも、
あってしかるべきだと思うんですが。
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糸井 |
だから、WBC以降は、
もっと本気でケンカごしになれるのが
国際試合になったんですよ。
みんながそっちのほうに
リアリティーを持ったということでしょう。
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赤坂 |
そうですね。
(続きます) |