第12回 やりたいこと。
糸井 いずれは、一軍の監督っていうのも
やりたい仕事として思い浮かべてるでしょう?
川相 いやあ、どうですかね(笑)。
あんまり‥‥。
糸井 あ、そうですか。
「あんまり」?
監督っていう仕事は、
あんまりおもしろくない?
川相 いや、めちゃめちゃおもしろいです。
糸井 めちゃめちゃおもしろいですか(笑)。
だけど?
川相 めちゃめちゃおもしろいですけど、
すごくたいへん‥‥。
これが一軍となったら、
ほんとにすごい苦労なんだろうなって思います。
糸井 「したくない苦労」が
多いんですよね、きっと。
川相 はい。だからまあ、まあ、
できないだろうなと思います。
糸井 まだまだ別世界のこと、という感じですか。
川相 はい。
糸井 まぁ、毎年更新されていく考え方でしょうけど。
だって、二軍監督をやることだって、
選手のときは思ってもなかったことでしょう?
川相 思ってないですね。
糸井 ですよね。
で、「めちゃめちゃおもしろい」って
感じたわけですから。
川相 そうですね。
ほんとうにおもしろいなと思いました。
いろいろ、たいへんなところも
もちろんありましたけど、それも含めて、
あ、おもしろいなって思いましたね。
糸井 きっと、また、やりたい仕事ですよね。
川相 ‥‥そうですね。
いいスタッフといっしょにやりたいですね。
言いたいことを言える、
きびしいことも含めて言い合える人、
自分という人間のスタイルを
ある程度理解してくれている人と
やってみたいですね。
糸井 うん、期待してます、すごく。
あの、ほんとうにきりがないんで、
終わらなきゃいけないのが残念なんですけど、
なんていうか、
こんなにひとの人生をおもしろくしてくれて、
ありがとうございます(笑)。
だって、オレら、野球してないのにさ、
代わりにしてる人がいて
それを真ん中に置いて
こんなに遊べるわけだからね。
赤坂 そうですね。
永田 そうですねぇ。
糸井 最近、思ったんですけど、
たぶん、ぼくね、自分の人生のなかで
野球を観てる時間って、
そうとう長いと思うんですよ。
赤坂 ああ、こないだ、タクシーのなかで
しみじみおっしゃってましたね。
糸井 うん。
すくなくとも
お風呂入ってる時間よりは長い。
うんこしてる時間よりも長い。
ほかにないんですよ、そんなのね。
だから、川相さんを通して、
野球への感謝を、ここで(笑)。
川相 (笑)
糸井 仮に、川相さんを野球だとして。
赤坂 いいですね。
糸井 誰かを野球だとするときに、
川相さんは、いいですよね。
うん。
赤坂さんは知ってるかどうかわかんないけど、
昔、宮沢りえちゃんが
川相選手が好きだって言ってたんだよ。
赤坂 知ってます、知ってます。
糸井さんがそう言わせてるっていう
ウワサもありましたよ(笑)。
糸井 あー、その誤解はねぇ、ぜひ解いておきたい。
もともと彼女は、サッカーとか観てても、
ゴールを決める人より、
パスを出す人のほうが好きなんだよ。
で、よくいっしょに野球を観に行ってたときに、
誰が好きなの? って訊いたら、
川相選手が好きだって言ったんだよ。
赤坂 ああ、そうでしたか。
ぼくが聞いたのは、
「川相が好きって言うと、
 通っぽくて人気が出るぞ」って
糸井さんが言ったっていう‥‥。
糸井 言わない、言わない(笑)。
ほんとに、ぬれぎぬなんだよ。
だって、そんなややこしいアドバイス、
する必要がないよ。
誰がどう見てもすでに人気者だったんだから。
赤坂 あははははは。
川相 (笑)
糸井 いやあ~、でも、おもしろかった。
もう、いくらでもおもしろいです。
ありがとうございました!
川相 ありがとうございました。
糸井 きっと、つぎにお会いするときには、
所属も決まってるでしょうけど。
川相 そうですね。
(この取材の数日後、
 巨人の二軍監督に就任されました)
糸井 ‥‥川相さんって、
いまおいくつになったんですか。
川相 46です。
糸井 ああ、いいころですね。
川相 いいころですか(笑)。
赤坂 いいころなんですか、46は(笑)。
糸井 いいころですよ。
再出発するころですよね。
厄年があけてね、
一回、ぐだぐだしちゃうんですよ。
いままでの方法とか経験則とか、
いろんなものが一回終わっちゃうんで。
で、うーん、どうしたものかな、って
ぐだぐだしたあとで、
「なんでもするぞ!」って気持ちになる。
そんな年です。
ぼくはそのころ、釣りばっかやってました。
川相 ああー、釣りもやりたいですねぇ。
糸井 その間に、次の準備ができてたりね。
川相 いいですねぇ。
やりたいことはいっぱいあるんですけどね。
糸井 まだまだ川相さんは忙しいでしょう。
ま、しょうがない、それは。
いや、ほんとに、おもしろかったです。
ありがとうございました!
川相 ありがとうございました。
赤坂 ありがとうございましたー。


(最後まで読んでいただき、
 どうもありがとうございました!)
2010-12-16-THU
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